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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

開業歯科医のリスクが高い理由とは

歯科医師として働く中で、いつかは「自分の歯科医院を持ちたい」つまり「開業したい」という願望を抱く人もいると思います。しかし、「歯医者の開業医はリスクが高い」と言う人が多いかもしれません。そこで、開業歯科医のリスクが高い理由と、そんな中でも開業したい場合に必要な行動について解説します。

開業歯科医の大変なこと①「お金」

開業歯科医の大変なこと①「お金」
開業歯科医を目指すにあたって、いくつか難題が待ち構えています。第一に「資金調達」でしょう。開業するにあたっては、多額の資金を必要とします。どこで開業するか、どの程度の規模で開業するかにもよりますが、貯金だけでこれを賄うことは相当に大変なことです。おそらく、銀行から融資を受けることになると思いますが、誰でも開業のための資金を融資してもらえるとは限りません。開業のための準備をしていたのに融資が下りず、開業自体を諦めてしまったという話もあります。そして仮に開業資金を調達できても「初期の運転資金」の問題があります。銀行の融資は、返済を必要とします。そのための資金は来院した患者さんから受け取るのですが、計画していたとおりの客数があるとは限りません。思ったほど仕事がない、診療報酬が入帰されるまでには時間がかかることなどを考慮すると、初期の運転資金としては最低でも半年分の固定費(家賃や人件費など)は開業資金として用意しなければなりません。

開業歯科医の大変なこと②「人・物」

開業するにあたっては「人」や「物」の問題も重くのしかかります。人についてはやはり「求人・採用」の問題です。例えば「衛生士」を雇用したいと思っても、その地域の求人で応募が来るかの保証はありません。その地域の水準より多めの給与待遇にしても、そもそも求人中の衛生士がいるとは限らないのです。特に、人脈が乏しくて人から紹介してもらえないようなことになれば、スタッフを揃えるだけでも相当な苦労を強いられるでしょう。
物については、例えば「物件」の問題です。歯科医として開業するということは、「歯医者」として使える物件を用意しなければならないということです。物件次第で来院数も左右されるという話もありますから、物件選定は重要です。いかにプロの協力を得られるかということが大きな問題となります。歯科医師としての経験は、おそらく物件選定に寄与することは無いでしょう。

開業歯科医の大変なこと③「需要の問題」

開業歯科医の大変なこと③「需要の問題」
歯科医として開業しても、本当に必要とされているのかという問題があります。日本の歯科医師は増加傾向にあり、逆に日本の総人口は減少傾向にあります。つまり、歯医者さんを必要としてくれる患者数は減少傾向にあるのに、治療する歯科医師は増えているということです。
開業資金を借り入れている場合、来院患者数が少なければ返済原資が不足するということです。ちょっと情報が古いですが2010年の歯科医院の数は約68,000件、これは全国のコンビニの件数が約43,000件なのでその1.5倍ほどの数があるということなのです。期待できる利用者数が減少傾向にあるのに歯科医院の数は増えている、言い方は悪いですが食い扶持を争う競争率が高くなっているのです。

これから開業するにあたってリスクを減らすには?

開業歯科医はハイリスク、とは言え開業の夢を諦められない人は少なくないでしょう。競争が激化している歯科医師業界において、これから開業して生き残るためにはいくつかの行動によってリスクを軽減する必要があります。
まず重要な事は「経営者としての自覚を持つ」ということです。今までは雇われの歯科医師だったのが、これからは人を雇う側になるという意識を最初からきちんと持つことです。家賃を払い、従業員の給料を払い、そのためのお金を稼ぐ努力をする。その道筋を最初からきちんと計画しておくことで初期の資金不足に悩むリスクは大幅に削減できるはずです。
次に「差別化を目指す」ことです。歯医者さんとして基本的な治療だけでなく、いわゆる「自費診療」に相当する歯科治療も提供できることが望ましいです。競争相手が多いのですから、「ウチならこれができる!」という強みを持つことは重要です。開業前にできる限りセミナーや勉強会に参加して、多くの技術を身に着けましょう。
また、「患者さんに選んでもらえる努力」も必要になります。前述の通り歯科医院の数は増えていますので、歯医者さんに行きたいと思う患者さんはその地域で複数の歯医者さんをその選択肢に加えることができます。患者さんは、口コミや実績などで歯医者さんを選ぶわけですから、この時に選んでもらえるような努力をしなければなりません。その一つとして自費診療の内容を充実させることはもちろん必要ですが、いかに「全体的な満足度を高められるか?」ということも重要です。いくら満足度の高い治療を受けられても、院内の空気が暗かったり、スタッフの受け答えががさつだったりしては、患者さんは大きくマイナス評価するでしょう。逆に、患者さんに親身になって対応したり、スタッフが笑顔で院内が明るい雰囲気であれば、「また来院したい」と思ってくれるはずです。そうした、治療に直結しない部分についても注意することで、患者さんに選んでもらえる開業歯科医になれるはずでしょう。
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