Quick Search
気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

歯科研修医の疑問をここで解決!自身の方向性に合わせた研修制度

国家試験に合格し、一息つく間もなく始まる研修医生活。多くの歯学部生がまだ学生である6年生の春から秋にかけて来年度研修を行う研修施設の見学・面接/試験を行い、マッチング評価により研修先が決定します。今回は歯科研修医の研修制度について、それぞれの研修施設ごとにポイントを押さえながらお伝えしていきたいと思います。自分の目指す歯科医師の第一歩として重要な研修先選びの参考にして頂けたら幸いです。

歯学部附属病院での研修

多くの歯学部生が歯学部附属病院での研修を選択・マッチングすると思います。ここでは歯学部附属病院の中でも2つに分けてお伝えしていきます。

1. 出身大学の附属病院での研修
出身大学の附属病院での研修

卒業生の約半数以上が自分の出身大学を研修先として選択・マッチングすることとなります。自分の出身大学ですから臨床実習生の時の経験を生かし、ある程度のノウハウはつかめていますし、先輩歯科医師とのコミュニケーションも図りやすいと思います。そのため、研修直後から患者様を診ることができるなど、すぐに歯科医師として活躍できることが多くあります。

附属病院によってそれぞれオリジナルの特徴を持ったカリキュラムがありますので、自分の出身大学の附属病院の臨床研修カリキュラムを今一度確認しましょう。1年間附属病院での研修をするカリキュラムを組む附属病院から、附属病院としての研修医であるにも関わらずほぼ1年間院外の研修施設での研修をするカリキュラムを組んでいる附属病院まで様々です。

自分が研修医中に学びたいことを学ぶことができるところかどうかを、今一度確認しておきましょう。また、院外研修先が指定されている場合はあらかじめその院外研修先について下調べしておくと良いと思います。


2. 出身大学以外の大学附属病院での研修
出身大学以外の大学附属病院での研修

出身大学以外の附属病院を研修先として選ぶ人は、その附属病院に何か魅力を感じること、例えば麻酔の名医がいる、歯周病の臨床実績が強い、口腔外科で名高い病院であるなどといったことで選択をすることが多いです。

先ほども述べたように、附属病院に研修医として勤務していても、ほぼ院外先での研修となることもあるので、自分が魅力と感じた分野を研修することができるのか、あらかじめ調べておくことが大事です。その出身大学の知り合いを通して臨床研修の話を聞いておく機会があればなお良いと思います。


医学部附属病院での研修

医学部附属病院での研修

医学部附属病院の中で主に口腔外科として臨床研修を行います。一般歯科治療というよりも、主に口腔外科の患者様が多いので、初めのうちは基本的な抜歯などから始まります。埋伏歯の抜歯、また簡単な外科処置を通し、研修が終わるころには基本の外科処置までを習得することができるでしょう。

将来口腔外科医として働きたいと考えている人を中心に、多くの人が希望します。また、研修医のうちに口腔外科で扱うような大きな症例を経験することは、一般開業医で行える処置か、病院に紹介した方が良い処置かを判断する能力が付きます。そのため将来一般開業医として働きたいと考えている人でも研修先に選ぶことが多いです。診療中何かあった時に全身状態を見て冷静に判断する能力が付くといった点で、臨床研修医の間に口腔外科を経験しておくのはとても魅力的です。

医学部附属病院ですと、耳鼻咽喉科と口腔外科が連携していることが多く、歯学部附属病院では経験することができないような症例も多数携わることができます。また、医学部附属病院では医師の臨床研修制度と同じように2年間の研修カリキュラムを組んであることも多いです。その中では医師の研修医と共にローテーションすることもあり、他の歯科臨床研修とは異なった研修生活を送ることとなります。


一般病院での研修

一般病院での研修

一般病院ですと、一般歯科の治療から口腔外科の処置のみを扱っている病院など、その病院によって特徴がさまざまです。例えば精神科をメインとする病院ですと、“一般歯科治療”と掲げていても患者さんの状態でしたり、普通の歯科診療ができないことが多くあります。また、高齢者メインの病院でしたら、口腔リハビリテーションに関することが多くなってきます。

一般病院の多くはその病院の個性や特徴がありますので、自分が研修医のうちに何を学びたいかを明確に持って研修先を選定することが必要です。また、見学に行く際に実際に歯科医師がどのような仕事をしているのか、患者層はどのようなものかをチェックしましょう。しっかりと見極め、分からない場合は直接質問をすることが大切です。


一般開業医での研修

一般開業医での研修

ある程度の施設・人員・環境を持つ医院でしたら、一般開業医でも臨床研修を行うことができます。カリキュラムから給与や福利厚生などといった様々な条件が、独自のものが多くなります。個性が明確に出ますので、自分の目指しているものが本当にこの開業医にあるかについてしっかりと考えることが必要となってきます。また、研修が始まってから、もし合わないなどといったことになってしまっても大きい施設ではありませんので、他の診療科に配属を変えてもらうなどといったことが難しくなります。

自分に合った開業医・先輩歯科医師・スタッフ・仕事環境なのかを見学の際にしっかりと見極めることが大切です。また、一般開業医の先輩歯科医師は、自分の何年後何十年後の姿かもしれません。自分の描いている理想の歯科医師像かを今一度みておいてください。一般開業医での研修が終わると多くの人がそのまま就職することになると思います。自分がこの先勤めていく就職先として良いのかも判断する必要があります。


まとめ

歯科医療は最初の1~2年でのさまざまな経験が大切と言われています。最初の1~2年にしっかりとした教育を受けると、基本的なしっかりとした基盤が作れます。自ら応用する能力も身に付き大きく羽ばたくことができます。この1~2年を無駄にしないためにも自分の研修先として合っているかをしっかりと見極めるのが研修先選びの大事なポイントであることを忘れないでください。

目先のことだけではなく、5年後10年後どうなっていたいか、自分の将来の歯科医師像をもう一度考え、方向性を明確にし、歯科医師としての第一歩である研修先選びを行うと良いかと思います。


お問い合わせ
当サイトに掲載されているコラムの内容や求人情報に関するご質問は左のボタンからお問い合わせください。

^