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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

予防の大切さを子供に知らせる歯科医院のイベントへの取り組み

少子化が進み一人っ子が増える中で、親は子供の教育や健康に対して、より強い関心を持つようになりました。疾病に対する治療から予防に、さらに健康増進への意識が高まっています。育児など子供の健康や発育に関して、以前は親や祖父母といった血縁家族から教わっていたことが、今はインターネットの情報や育児書がお手本になりました。「情報が多すぎて何を信じていいのかわからない」、「身近に相談できる人がいなくて情報に縛られている」といった母親がたくさんいるといいます。
昨今、子供や親に向けた歯科医院のイベントが人気なのは、「普段から子供の顔や口の中の状況を知っている人に教えてもらえる」という安心感と信頼感があるからでしょう。
それでは歯科イベントとはどう始めたらいいのでしょうか。

歯科イベントってどんなもの?

歯科イベントってどんなもの?

歯科イベントは、普段歯科医院のチェアーサイドで行なっている説明をもっと多くの方に解りやすく説明するということです。違うのは対象となるのが個人か複数かというところでしょう。
良いところは話すタイトルがもう決まっているので、しっかりと事前に準備ができるところです。対象者が子供か大人かでタイトルが同じでも準備が変わってきます。まずは、歯科イベント基本の“ABC”を押さえましょう。

■歯科イベントの“A”は「Atomosphere(環境、雰囲気)」
患者、特に子供に向けて説明をするにふさわしい環境作りをしましょう。発表者の顔、資料や模型、絵などが見ている参加者からしっかり見えるように確認して、座る場所を整えましょう。明るさにも気を配り、日の光や室内灯を確認しましょう。

■歯科イベントの“B”は「Bodylanguage(非言語コミュニケーション)」
人の印象というのは初めて会った時の3~5秒、すなわち「話しはじめる前」に決まるといわれています。ですから非言語コミュニケーションである、姿勢や表情、視線、しぐさも大切になってきます。いつもしているマスクはもちろん外し、話す対象の方に身体こと向けて、落ち着いた身振り手振りで話しましょう。

当然ですが、身だしなみも重要です。ヨレヨレの薬剤のついた制服、明るすぎる髪の色などはスタッフ同士で客観的に指摘し合い、信頼される医療人を目指しましょう。特に若い歯科衛生士や歯科医師の方は、子供の親など自分より年齢が上の方の前で話すことになりますので、話し方や見た目の爽やかさや清潔さを、なお意識するといいでしょう。

■歯科イベントの“C”は「Contents(内容)」
話しをする時は、使う単語に気をつけましょう。「キュウシ」や「ゼンシ」「シケイブ」など歯科従事者が普段何気なく使っている専門用語も、聞いている患者はチンプンカンプンです。
特に子供の場合は、全くわからない話になると、興味を無くしてしまうこともあります。普段から、専門知識がない患者に理解できるような言葉へ変換できる癖をつけておきましょう。うっかり専門用語を出してしまった場合は、わかりやすい言葉に言い換えて教えましょう。


歯科医院イベントを開催するには

歯科医院イベントを開催するには

■イベントの進め方
歯科イベントは、限られた時間の中で行わなくてはいけません
ゆっくり丁寧に話を進めていくために、話の順序を間違えないように。スムーズに行うため、しっかりと流れを作っておきましょう。
例をあげてみると、
イベントタイトル「虫歯に負けない強い歯を作ろう」
①入り口
・関心を引くために話を聞いてみます。
「虫歯を治すの大変だった子はいるかな?もう虫歯にならないようにしたいよね。」
・同意を得るように導き疑問を投げかけます。「でもお菓子ナシにはしたくないし、歯磨き頑張ってるつもりでもなかなか上手に磨けないよね。どうしたらいいか知ってる?」
②答えと解説
・先に答えを教えて興味を引くようにします。
「でもね頑張れば、ばい菌が少なくなって虫歯にならないようになるんだよ。虫歯ができるには3つのポイントがあるの。」
③理由
・おやつでなぜ虫歯になるのか、歯科の定期検診の重要さなどを、図や模型を使って説明しましょう。
④イマジネーション
虫歯がなくなった時のことを想像させます。ピカピカの歯が気持ちいいことや、カッコイイこと、ご飯をしっかり食べられるようになり、元気に成長できる事など時間が許す限りプラスのイメージを持てるようにします。健康になる事はもちろん、健康であるからこそ叶えられる夢や希望まで話を膨らませます。子供達の “ノリ気”を引き出しましょう。

この順番でタイトルを変えて色々当てはめられます。流れをつかみ、練習を重ねればスムーズに行えるようになるでしょう。

■子供の気を引く工夫
前に出て話をするとき注意したいフレーズもあります。中でも「えー」「あのー」「そのー」といったいわゆる“ノイズ”です。人前に出ている緊張感もあると思いますが、落ち着いて“間”を有効に使いましょう。少しくらいの沈黙は怖くありません。理解を深めるためには大事なポイントの後に、わざと間を取るというのも効果があります。
そして伝えたいキーワードやフレーズが出てきたら、もう一度ゆっくりと言いましょう。その際、一人一人の目を見てゆっくり繰り返します。
子供対象でしたら、より分かりやすく、焦点を絞り、かつ飽きさせないようにするのがポイントです。ポスターや模型などはなるべく字を少なく幅広い年齢に対応できるようにしておきましょう。絵や字の大きさも重要です。見る側に座って確認しておきましょう。子供に向けてのポスターなどは色づかいをカラフルにし、パペットを使ったり、紙芝居風にしてみたり驚きや面白さを加えると、子供も夢中になりやすいでしょう。
最後にその日に説明したことなどは紙にまとめて、保護者の方が振り返りやすくしておくといいでしょう。


最近の歯科イベントはどんなもの?

最近の歯科イベントはどんなもの?

虫歯予防を中心にしたものは最初に行いやすく、ついで保護者の方の関心が高い食育についてのイベントも増えてきています。そして、ここ最近で1番子供向けのイベントで人気が高くなっているのは「歯科体験」のイベントです。これは子供に白衣やマスクなど“歯医者さん”の衣装を着せて、実際に色々歯科医院の仕事を体験してもらうイベントです。
顕微鏡でプラーク中の細菌をみたり、バキュームの体験やフッ素を使った実験などを通して歯科医院への恐怖を払拭させて、より口腔内に興味を持たせるためのイベントです。
他にはクリスマス会やハロウィンなどのイベントで食育も兼ねておやつについて説明したり、虫歯になりにくいおやつ作りの教室を開いたり、というのもあります。

まとめ

歯科医院でのイベントは時間と場所さえ確保できれば、いつでも始められます。
規模の大小に関わらず、診療時間以外での子供と保護者とのふれあいや会話を持つことでさらに信頼感も増し、その子供の歯科との付き合い方も大きく変わってくると思います。「歯科医院は楽しくてためになるところ」と子供に思ってもらえる事はとても素敵なことではないでしょうか。

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