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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

患者が離れていかない歯科医院のクレーム対応術とは

今や歯科医院に対する患者側からの「安心・安全」への期待度が上がっています。それが信頼に繋がることは確かですが、双方のギャップが広がることによりクレームとして歯科医院へ向けられることが増えているのも事実です。クレームが出ないように対策を講じていくことも大切ですが、もしクレームが発生した場合、どのように対応するかがポイント。患者が離れて行かない歯科員のクレーム対応術を考えていきましょう。

患者からの「クレーム」に対する考え方をプラスに

患者からの「クレーム」に対する考え方をプラスに

■なぜ起こる?患者からの「クレーム」
クレームは期待したことよりも実際に受けたサービスが低い場合に生じる「不満」から生まれます。そしてその不満を歯科医院側に訴えた時「クレーム」となります。一般的なクレームに対しては、真摯に対応すればたいていのことは解決します。

■クレームは歯科医院の「宝」です
クレームが発生した場合、受ける側は「関わりたくない」という感情になるかもしれません。しかし患者側の立場に立ってよく考えてみましょう。実際に不満があった場合、それを声に出してスタッフへ伝えるまでにはとても勇気のいることだと思いませんか?ですからクレームは、歯科医院のことを思っての貴重な意見なのです。ぜひ耳を傾け、解決に向けての努力をしていただきたいものです。

■氷山の下を見過ごさない
クレームを伝えられるのはほんのわずか、氷山の一角ということです。一番いけないのは氷山の水面下、「不満を我慢させてしまったまま」にして日々診療していることです。これは不満点に関して改善するチャンスを失ってしまっていることになります。誰しもが直接言える訳ではないのですから、ご意見アンケート箱を設置するなどして患者の不満を見過ごさないようにするためのシステムを取り入れていくことが必要です。

増加傾向にある「クレーム」の背景

増加傾向にある「クレーム」の背景

■患者の歯科医院選択の意識向上
今や全国のコンビニ数よりも多いと言われている歯科医院。専門性を標榜する歯科医院も増え、患者にとっては「選択肢が広くある」と意識できる状態にあると思います。「ここでなくても」と思われてしまうことから、今までは表に出しにくかったことでも不満や不安などを表に出しやすくなっているのでしょう。そして、初回で不満を感じた場合、何も言わず転院することがほとんど。クレームとして挙げる場合、常連患者からの「改善してほしい」という思いが多いようです。

■安全な医療に対する意識の強まり
メディアや情報ツールの普及により、世の中が医療事故などの案件を目や耳にする機会が増えました。しかしこれらによって医療業界の問題点等が大きく取り上げられ、広まりをみせています。たとえば歯科医院での死亡事故や材料の使いまわし、産業廃棄物の不法投棄などの重大事故記事は検索すれば過去にさかのぼって知ることができます。そして世間の目が医療の「安心・安全」に注目し、敏感になってきていると思われます。

■PCや携帯電話などの普及
「個人情報保護法」ができ、メディアによって関連の法律知識もよく報道されています。今や「黙って我慢している時代ではない」という風潮になってきているのではないでしょうか。それに加え、PCや携帯電話・スマートフォンなどのツールが急激に普及。誰でも歯科医院の情報を「口コミサイト」等で検索したり書き込みしたりできます。直接言えない不満は、顔の見えないところでもクレームを広めることができてしまうというわけです。

患者が離れて行かないクレーム対応をしましょう!

患者が離れて行かないクレーム対応をしましょう!

■最初にクレームを受けた時
クレームが発生した場合、まずは患者の言い分を最後まで聞きましょう。途中で話をさえぎってしまったり、迷惑そうに聞くのは、余計に怒りを増長させてしまいます。あえて笑顔で清々しい態度で関わることで、患者の心が少しずつ落ち着きを取り戻す場合もあります。

■クレームを受けた際に気を付けることとその後の流れ
クレームの対応として、やってはいけない対応は「言い訳」をすること。新人時代、わからない場合でも、患者から見れば同じ「医療スタッフ」です。新人の時代にクレームを受けた場合、どのように上司に繋ぐかのシミュレーションをして準備しておく必要があります。また、「しかし」「でも」のような逆説の言葉を言うのもNGです。

■日頃からクレーム対策を
クレームに対しては、迅速に対応する必要があります。しかしすべてに応えていては、他の患者に対応できなくなるなど業務に支障をきたしてしまうかもしれません。クレームが起こった時、誰がどう動きどう伝達するかなど、日頃から全員が内容を把握して迅速に対応できるシステムを構築しておく必要があります。

「クレーム」によって対応法を考える

「クレーム」によって対応法を考える

■クレームなのか質問なのかを見極めましょう
よく質問する患者を「クレーマー」だと勘違いしてしまうことがあります。面倒臭いと軽く対応することによって、質問だったはずのことがクレームへと繋がることもあるのです。たとえば処置に対しての質問は不安感から、待ち時間の質問はその後のスケジュールに間に合うかの確認等からくるもの。しっかり対応すればクレームにはならない事案です。

■クレームに対しての対処で大切なこと
クレーム対応で大切なのは、しっかりと内容を把握することです。経緯などをメモしたりしておきましょう。また、1対1では、言った言わないとトラブルが炎上しがちなので、なるべく複数で話を聞くようにしておきます。対応後はミーティング等で情報共有の時間を作り、全員で対応策等を確認し直しておく必要があります。

■不当な要求のクレームに対しての対応
中には不当要求、暴力等による威圧がある場合も。これらを想定して準備しておくと安心です。このような場合は早急に院長へつなぎ、内容確認し対応に当たりましょう。最初に対応したスタッフは、いい加減で曖昧な返事や安易な約束をしないようにしておきます。のちに上げ足を取られないよう、判断が微妙なことは返答を控えます。交渉は対等な立場で行えるようにし、相手の要求は録画や録音の対応を取れればしておきましょ
う。長引く場合は歯科医師会や警察に相談して対応を相談するのも良いと思います。

まとめ

クレームを言う患者はその医院の最大のファンであるからこそ「改善してほしい」という強い思いから勇気をもって発言しているのです。ですから「クレーム」は必ずしもマイナス面ではなく、逆に歯科医院にとっての問題を改善することに繋がります。ただし、情報ツールが増えた現代では、不当で悪質なクレームがあることも事実。スタッフ全員で、一般的なクレームなのか悪質なクレームなのかを見極めるためのシステムを構築しておくことをおすすめします。

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