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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

子どもを歯科嫌いにさせないためのポイント

子供を歯科嫌いにさせないためのポイント
子供は低年齢であればあるほど気持ちをダイレクトに表現し、大人の基準で重要な理由があっても、子供がそれを理解し協力してくれるまで、時間がかかるのは当然のことです。

しかし子供の時から定期的に歯科を受診するならば、一生自分の歯で食事ができる可能性がとても高くなりますので、保護者の方の協力はとても大切なものとなります。

簡単なようで難しく、難しいようで簡単な、子供を歯科嫌いにさせないための5つのポイントをご紹介します。

予防歯科に力を入れる

近年、医科や歯科において、病気になってから治療するのではないという考えが主流となっています。生活習慣に留意して病気を未然に防ぎ、また定期検診によって早期発見・早期治療がなされることは、身体的・経済的な負担が最小限になると、多くの人に知られています。

その中で「予防歯科」は、歯を守るだけではなく全身の健康を守る要素も大いに含んでおり、注目されています。
子供が歯科医院と関わる第一歩が、予防歯科でありたいものです。

■啓蒙活動
予防歯科の必要性を保護者の方に理解しやすいよう説明用のツールを充実させ、主に保護者に対する教育を行います。行政の1歳半検診を最初の歯科検診と考えている保護者が多いのですが、全国平均の1歳半のう蝕罹患率は2%くらいですので、それ以前から受診することが理想です。できるだけ早い段階から定期検診や保護者の方への保健指導をスタートさせることを歯科医院が啓蒙し、その体制作りが必要です。

■媒体
歯科医院に来院している患者に伝えるだけでなく、歯科医院の内外における掲示板、ホームページなどを活用することも有効です。

■内容
保護者に対する子供の食生活やブラッシング方法の指導を始め、フッ素塗布やシーラント処置、レントゲン写真の撮影など、子供の精神的・身体的成長段階に応じて進めます。歯並びやかみ合わせに関することも、成長期である子供にしか出来ないことも多くあります。

大人の気持ちより子供の気持ちを大切にする

冒頭にも述べましたが、子供の気持ちが大人の気持ちと一致しているとは限りません。むしろ「違っている」という前提の元、その子供の気持ちに大人が歩み寄る必要があります。

■ステップ1
初めて訪れる場所に抵抗を示さない子もまれにいますが、ほとんどの子供は初めは不安を抱き、段々に慣れてくるものです。歯科医院においても、知らない場所に来て、知らない人に会うのですから、不安でいっぱいなのは当然のこと。まずは場所と人に慣れることから始めます。

■ステップ2
ここで注意したいことは、たとえ虫歯があるという主訴があっても、痛みや排膿など急性の症状が出ていないのであれば、治療は先送りにします。保護者だけでなく歯科医療従事者も、早く虫歯を治したいという思いに駆られますが、一先ず、ユニットに座ることから始めます。

■ステップ3
次に歯科診療のよく使う道具、スリーウェイシリンジやバキューム、照明ライト、ミラーなど、歯科医療従事者にとっては何でも無い道具も、子供にとっては初めて見る訳の分からない道具ですので、ひとつずつ楽しい雰囲気で紹介します。

■ステップ4
歯科の道具に対して子供が抵抗を示さないようになったら、歯ブラシによるブラッシングや、外したコントラにポリッシングブラシをつけてブラッシング。さらに通電してポリッシング、フッ素塗布といった段階を踏んで、より高度な歯科診療にチャレンジさせていきます。

保護者の方と歯科医院の連携プレー

保護者の方と歯科医院の連携プレー
保護者の方にも十分説明し、子供だけでなく保護者の不安も取り除き、一致した意見で子供と接することが大切です。食い違いがあると子供は不安に感じやすく、不安があると少しのことでもマイナスに捉えて、不安→怖い→嫌い と、なりかねません。

歯科医師や歯科衛生士は、専門家として「あるべき論」を患者に押しつけてしまうことがあります。しかし子供と多くの時間を過ごす保護者にとって、難しい指導であることも少なくありません。保護者の話をよく聞き、よき相談相手となって協力関係ができれば、子供も安心して歯科医院を受け入れることでしょう。

診療後はたくさん褒めて達成感を

歯科診療を受けることは、大人でさえも抵抗を感じる方もいますので、子供は尚更のことです。しかし何とか少しずつでも歯科医師や歯科衛生士と関わりをもって診療したならば、たとえ泣いて十分な治療ができなかったとしても、できたことを褒めます。特に、保護者の方に褒めるよう伝え、子供に達成感を味わってもらうことが目的であることも話しておきます。

保護者は時々、期待通りに行かないと、「なんで出来ないの」と子供に怒ることがあります。しかし子供なりに出来る範囲で頑張っているのであれば、認めて褒めましょう。満足気な笑顔で終われば、大成功です。

家庭での歯磨きタイムは楽しく、そして確実に

う蝕が広範囲に及び治療が必要であるにも関わらず、なかなか口を開いてくれない子供がいます。そのような子供の多くは、家庭での歯磨きにも非協力的で、思うように歯磨きが出来ないと保護者の方は言います。最も身近で最も信頼している保護者の方に口を開けないのであれば、よく知らない歯科医師や歯科衛生士に快く口を開けないのは当然です。

まずはお家での歯磨きタイムを、楽しい雰囲気にするように、保護者の方に指導します。好きなキャラクターの歯ブラシや、味の違う歯磨き剤を数種類用意して選ばせたり、歯磨きカレンダーにシールを貼ったり、子供の興味に合わせた工夫をします。毎日の歯磨きにおいても褒めて達成感を味合わせるならば、歯科医院においても徐々に協力的になることが期待できます。

まとめ

以上、子供を歯科嫌いにさせないためのポイントをご紹介しましたが、他にも各歯科医院の地域や環境によって工夫が出来るかと思います。清潔で明るく、キッズスペースや絵本やおもちゃの設置、DVDを放映するなど、子供が好む医院作りも大切です。季節毎に装飾を変えたり、子供向けのイベントを開催する歯科医院もあります。

子供が、虫歯や歯周病になって初めて歯科医院に行くのでは、子供にとって大きな負担です。子供の一番信頼している保護者などの家族が、安心して行ける歯科医院として子供に伝われば、子供も安心して歯科医院を訪れることでしょう。

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