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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

歯医者を訪れる患者のトラブル!トラブルの事例4つと対処法とは

どの仕事でもトラブルやクレームはつきものです。特に医科や歯科といった業界では、患者とのトラブルが絶えません。今回は、歯医者でよく起こりがちなトラブルの事例と、その対処法について考えてみました。

歯科医院でよく起こるトラブル事例4つ

歯科医院でよく起こるトラブル事例4つ

歯医者に行って嫌な思いをした声を周りから聞くことはありませんか。治療内容以外で受付時や電話でよく聞くトラブルをまず事例を挙げてまとめてみました。

■予約、待ち時間に関するトラブル
歯医者で最も多いトラブルが、この予約と待ち時間に関するトラブルです。予約を取りたいのになかなか取れない、歯が痛くて早く治したいのに、「予約でいっぱいです」と言われたときの患者の心理は穏やかではありません。「じゃあいつ取れるの」と患者がイライラするのはもっともでしょう。特に口コミで人気が高い医院は、治療の予約が1ヶ月先まで取れないというケースがよくあります。

急に歯が痛み、すぐに診てほしい場合の待ち時間も、歯医者に多いトラブルです。予約優先ということはわかっていても、あまり長く待たされると患者は痛みを抱えているためにイライラが募り、「いつになったら診てもらえるの」と怒鳴り始めるケースもあります。

■治療期間に関するトラブル
一本の歯だけを治療していたはずが、治療が終わった後に「ここの歯に虫歯がありますので、次ここを治療しましょう」と言われることはよくあります。しかし患者によっては、「次から次へと治療箇所を見つけては治療する。歯医者は金儲け主義でしかない」と思ってしまう場合があります。

治療期間が、患者自身が思っていたよりもずっと長いことが、患者の不満となって表れているのです。自分ではわからなかった治療箇所を見つけてもらって良かった、と感じる患者ばかりではないようです。

■治療費に関するトラブル
なぜこんなに治療費が高いのか、これくらいの処置でこんなに高い金額は納得いかない、といった治療費に関するトラブルも後を絶ちません。特に神経質な患者は診療明細書を片手に詳しく説明をしてほしい、と詰め寄られるケースもあります。

また、何かと理由をつけ治療費を払わない、治療費の未払いが続く悪質なトラブルも見られます。

■接遇、言葉足らずに関するトラブル
「あの歯科医院の受付の態度は最悪だった」「先生の態度が横柄すぎる」など、言葉遣いや接遇に不満を持つ患者とのトラブルもよく起こります。どの職業でもそうですが、言葉や態度で相手が受ける印象は変わってきます。正しいことを言っても、相手に伝わりにくいことがトラブルの元となるようです。


トラブルに対する対処法は

歯科治療スムーズに行うために大切なことは、患者と歯科医師、スタッフとのコミュニケーションです。トラブルが起きた場合、歯科医院側は真摯に対応し、患者がと今後も円滑な関係が築けるよう対処することを心掛ける必要があります。

■トラブルをスタッフ全員でシェアする
まず、患者とどんなトラブルがあったのかをスタッフ全員でシェアすることから始まります。小さなことであっても、患者が関わることは院長だけで対処することをせず、ミーティングを行うなどスタッフ全員で話し合い、同じトラブルが起きないようにすることが大切です。

トラブルに関するマニュアルを備えている歯科医院もありますが、全てがマニュアルどおりうまくいくわけではありません。その時に応じて真摯に対応する臨機応変さとその後の関係を変が、その歯科医院のレベルやスキルを表すと言っても良いでしょう。

■治療期間、治療費に関してできる限り事前説明を行う
患者にも色々なタイプがいます。今とりあえず悪い歯だけを治療したい人、悪い箇所を全て治療したい人など、患者の要望を考慮に入れてみることが大切です。中には治療が終わったと思った矢先、説明もなく別の歯を削り始められたという報告もあり、患者の意向を全く無視した治療を行うことは、トラブルに十分繋がります。

事前に説明を行い、今後どうするかというコミュニケーションをしっかりと取ることが大切です。もちろん患者は治療を継続することを望まない場合もあるので、治療継続の選択肢を提示することもトラブル防止策になるかもしれません。

また治療費も、内容により大きく変わります。特に次回に補綴物が入る場合、どのくらいかかるのかを事前に伝えることは必須です。治療費に関しては、手持ちが足らない場合など、払った、払っていないなどのトラブルに発展しかねないため、次回に足らない分を加算して支払ってもらうことを明確に伝えておくなど、しっかりと患者に説明しましょう。

治療費の未払いに関するトラブルは、合理的な理由がない限り院長自身が治療拒否を行うことが可能と判断できる場合があります。正当な理由がないこと、また急を要する処置でない限り、毅然とした態度で受診拒否の対応をすることが望ましいでしょう。

■自身の身に置き換えた振る舞いと、自身を高める3つのスキルを身につける
一般論として最もよく言われていることですが、まず自身が患者や客の立場になって考えてみましょう。腹が立つ物言いやそっけない態度を取られると、「こんなところへ二度と来たくない」と思うでしょう。自分が嫌だったと感じた態度をそのまま患者へ返すことは愚行に等しいと言えます。

同じ言い方でも事務的・無感情ではなく、きちんと心のこもった説明や態度で接することで、患者の受け取り方も変わってきます。そのためにも「接遇マナースキル」「傾聴、共感スキル」「トラブル時の応対スキル」といった3つのスキルを磨いておくことで、トラブル時の対応は勿論、未然にトラブルを防ぐ事にも繋がるでしょう。

またこのスキルを磨くことで、自身の品格をも同時に高めることになるので、この3つのスキルを是非身につけておくことをお勧めします。

なお、歯科医院の対応に不満が爆発し、激高する患者もいます。待合室で暴言を吐く、暴れるなど他の患者に対し恐怖心を抱かせる場合や、スタッフに危害が及ぶようなことがある場合、速やかに警察に通報することも忘れずにいてください。


大切なことは、「対処」ではなく「予防」

大切なことは、「対処」ではなく「予防」

歯科医院のクレームやトラブルは治療内容だけではありません。そしてその多くはスタッフの確認不足によるものや配慮に欠けたもの、単純なミスなど、言ってみれば未然に防ぐことができるものが圧倒的です。

トラブルは起きてから対処するものではなく、未然に防ぐ「予防」が大切です。どうしたら防ぐことができるのか。患者と接する前にひと呼吸おき、確認してからでも決して遅くはありません。歯科医院と患者の関係を円滑にするためにも、普段からトラブルを防ぐ「予防意識」を持つようにしてみてはいかがでしょうか。


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