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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

患者の不安を取り除く 歯科医に求められるコミュニケーション力

歯科治療において患者様とのコミュニケーションは大切な要素の1つです。コミュニケーションの仕方によって患者数が大きく異なってくるケースもあります。

しかしながら、大切とは分かっていても実際に何から行えばいいのか迷われている方も多いかもしれません。今回はそんな患者様とのコミュニケーションについてご紹介していきます。

カウンセリングは双方向のコミュニケーション

カウンセリングは双方向のコミュニケーション

治療を始める際にまず行うのが、患者様のカウンセリングです。ここで患者様の要望を聞いた上で治療計画を立てていきます。

本来であれば、ここで患者様との会話を通じて希望する治療をヒアリングし、歯科医師の考える治療法と摺り合わせていく作業が行われます。

しかしながら、経験の浅い歯科医師や衛生師の場合、時として持っている知識を披露するだけの時間になってしまうことがあります。

このような事態に陥らないためには何をすればいいのでしょうか。今すぐにでも出来ることは、患者様へ質問を投げかけることです。

症状や治療説明をした後に「いかがでしょうか?」と問いかけることで、患者様の治療に対する不安や疑問点をヒアリングすることが出来ます。

そして、歯を失う怖さを知っていてもらえていれば、普段のお手入れの大切さを、よく分からないという方には改めて重要なポイントを説明することで患者様の信頼を得ることが出来るでしょう。

患者様へ質問し、その返答に対して的確な答えをすることでスムーズにコミュニケーションを取ることが出来ます。


患者さまに知識をつけてもらうことも大切

コミュニケーションを取るにあたり、会話の中で患者様に分かりやすく説明をすることはもちろんですが、その中で知識をつけていただくことも大切になります。予防にもつなげていくことで患者様の満足度、歯科医院の評価も上がっていきます。

代表的な例としてう蝕に対するトークが挙げられます。う蝕の原因と予防について、患者様とコミュニケーションを取ることが出来れば、治療の幅も広げやすくなります。

手順としてはまず、患者様がどれだけう蝕の知識を持っているか確認するところから始めていきます。

問いかけとしては「虫歯の原因を聞く」など相手が自由に返答できる質問を投げ掛けます。その回答のレベルに応じて必要な情報を補足する説明をすることで、患者様に正しい知識を持ってもらいます。どこで情報を知ったかについても聞くことが出来れば、普段の歯科治療に対する関心度も測ることが出来ます。

これらのやり取りにより、既に知っている情報を聞かされ退屈させてしまうこともなくなります。う蝕の進行具合に応じて質問内容を変えることもテクニックの1つです。う蝕が全く見られなかった場合には、患者様自身が予防に気を付けているかを聞くことで生活習慣が見えていきます。

このときにも患者様が行っている対策を聞き、誤っている場合には理由や正しい予防法を教えることも大切です。


国民病ともいわれる歯周病でもコミュニケーションは大切

今や多くの国民が患っているといわれている歯周病。歯周病によって来院される方も増えてきています。今後は歯周病の治療を行う機会も増えてくることでしょう。

そんな歯周病の患者様とはどのようにコミュニケーションを取っていけばいいのでしょうか?

歯周病は情報番組でも度々取り上げられることから、どんな病気か知っている患者様も多いはずです。しかしながら、中には間違った知識を持っている方もいますので、症状などをヒアリングしたうえで、正しい知識であるか確認をするようにします。

歯周病治療では患者様自身の協力も必要とされています。理想は発症する前から意識を高め、予防を習慣化してもらえることです。

実際のカウンセリングでは患者様自身も歯周病の初期症状に気が付いていない場合も多くあります。そのため、「歯磨きの時にたまに歯ぐきから出血する」などの返答が合った場合には、そこから頻度や期間など詳しくヒアリングをしていくことで、現在の状態を知る手掛かりとなります。

一方、気になったことはないという返答をした場合には、口腔ケアに対する意識が低い可能性もあります。自覚症状が少ないため、気付かないうちに進行しているなど恐ろしいケースもあります。そんな方には歯周病の症状について説明をし、まずは興味を持ってもらうことが大切です。


患者様の不安を取り除くコミュニケーション

患者様の不安を取り除くコミュニケーション

歯科治療において、X線を取る機会も多くあることでしょう。ケースによっては全顎X線写真を撮ることもあるはずです。全顎X線写真となると慣れていない方も多く、何枚も写真を撮られることで放射線に対する不安を持つ患者様もいるかもしれません。

そんなときには、全顎で撮影を行う意義を説明することで、安心して治療を進めることが出来ます。口腔内写真、プロービング、エックス線写真の役割を知ってもらうことで、治療1つひとつの理由を知ってもらい、治療自体に関心を持ってもらえるようになります。

中には全顎X線写真を拒否する患者様もいるかもしれませんが、その際には無理に撮影を進めるよりも、撮影を行わない場合のデメリット(治療の精度が劣るなど)を説明したうえで患者様の意向を出来るだけ尊重した形で治療を進めていくようにしましょう。


経験の豊富な歯科衛生士の助けを借りる選択肢も

患者様には良い治療を行いたいという思いから、一見無理難題を伝えてくる方もいらっしゃいます。歯科医院の中には患者様との最初のヒアリングは歯科衛生師が行うところもあります。ユニットに座る前に専用のカウンセリングスペースがあり、そこで来院した理由やこんな治療をしたいといった要望をヒアリングします。

「先生には伝えにくいけど衛生師さんなら相談しやすい」など意外にも好評のようです。
実際に自由診療の治療費などは先生には聞きづらいという方も多いものです。

男性の歯科医師が多いなか、患者様は男女問わず女性のスタッフの方が話しやすいという声も多いため、会話が続かないなど、コミュニケーションがうまくいかないという方は歯科衛生師にカウンセリングの一部を任せてしまう方法もあります。


まずは会話から患者様の声を聞く

歯科の治療は一般の患者様には、とても複雑で難しいもので不安を感じている方も多くいます。まずは会話をすることを意識し、質問によって患者様の声を聞くことからコミュニケーションが始まります。その上で、必要な情報を必要なだけ伝えることで患者さまにも理解をしてもらいやすくなります。

1つのことでもより分かりやすく伝えるための試行錯誤をすることで最終的な歯科医院の評判、満足度を高めていくことにつながります。


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