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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

歯科医はコミュニケーション力も必要!患者様へ安心感を与える対応とは

現代は、医療はサービスである時代です。サービスには歯科治療に加えコミュニケーションは欠かせません。患者様に安心感をあたえる対応についてお話します。

自分がリラックスする

自分がリラックスする

患者様が安心するためにはまず、何よりも治療をする歯科医師の心にゆとりがあることが重要です。忙しさは患者様に雑なイメージを持たれてしまいますし、イライラした気持ちは必ず伝わります。

最近では、夜8時まで診療している歯科医院がほとんどですし、疲れが抜け切れていないまま翌日を迎えている先生も多いかもしれません。オンオフの切り替えを工夫したり、食事の時間を大切にしたり、しっかりと休息をとるなど日常からストレスを溜めないように気をつけることが、心の余裕につながります。

それでも忙しすぎて心穏やかに過ごせていないなら、誰かに助けを求めることも大切です。治療以前に、自分がリラックスできているかどうか、立ち止まって落ち着いてみることが患者様の安心には不可欠です。

まずは「大丈夫ですか?」と心底心配する

まずは「大丈夫ですか?」と心底心配する

誰もわかってくれないつらさというのは、誰にとっても大変なストレスです。歯科医院に来る人の多くは口の中の痛みや違和感から、不安を感じています。また、人は誰かの優しさを感じると安心するものです。

さて、優しさというのはどのように判断しているか?それは相手が自分のことを分かってくれているようだ、と思えたときです。頭で心配しているだけでは患者様には伝わりません。「今日はどうされましたか?」よりも「大丈夫ですか?」を強調することにより、この先生は優しいな、と印象付けることができます。

自分の話をきいてくれているか、は態度で判断される

自分の話をきいてくれているか、は態度で判断される

『患者の話をよくきくことが大切』であることは誰もが理解しています。しかし、自分が相手の話をきいているか、は問題ではありません。相手が「この人は自分の話をよくきいている」と思わなければ、きいていないことと同義です。

患者様からみて先生が話をきいてくれているかは、その態度で判断します。自分自身が患者様の話をきいていたとしても、そういう態度にみえない、ということは意外と多いのです。

きいていそうに見える態度は、姿勢を意識することが重要です。背筋を伸ばして、足などを組むことなく良い姿勢を心がけるだけで、印象は断然違います。また目があいていないとこの先生は眠そうだな、自分の話を聞いていないのではないか、と認識されることがあります。とくに歯科医師はマスクをしている時間が長く、目が全体の印象に大きくかかわるため、たまに大きく目を見開いてみるのも効果的です。

なぜこのような病状なのか、理由を説明する

なぜこのような病状なのか、理由を説明する

漠然とした不安というように、そもそも「よく分かっていないから不安」ということはよくあります。とくに、病気に関しては原因が分からずテレビやインターネットなどの情報から不安を煽っている方もいます。

説明で大切なのは、なぜ訴えのような症状が起きているのか、考えられる原因を呈示することが大切です。もちろん、初診の段階で分からない病気があることは当然ですが、いくつか鑑別診断を示すことによって患者様から漠然さやあいまいさを薄めてあげることができます。また、病名をきくだけで安心する、という患者様もいらっしゃいます。

説明のときには、適切な情報量であることも重要です。患者様の理解をこえた情報量ではかえって不安にさせてしまうため、できるだけ情報量をしぼり、ゆっくりと話す必要があります。写真や絵などを使うと視覚的に分かりやすいので効果的です。

基本的なことですが、声の大きさやトーンは注意する必要があります。歯科医院は個室でない限り、タービンやバキュームなど周囲の音によって声がききとりづらい環境です。また、うっかりマスクをしているのを忘れてふつうのボリュームで話すと相手は全然ききとれません。周囲の音やマスクがやむを得ない状況では、声のトーンを上げたり、ボリュームをやや大きめにするなど工夫しましょう。

治療時には唇、粘膜への配慮をこころがける

治療時には唇、粘膜への配慮をこころがける

いざ治療がはじまるとつい歯に集中してしまうことがあります。ヒトの唇や口腔粘膜はとても感度が高いことは有名です。不必要に口唇や口腔粘膜に器具があたると雑な印象をうけてしまいます。また、歯科治療時のバキュームも大切です。のどに水がたまり息苦しくなったり、顔のまわりに水が飛んだりするととても不快です。一度自らユニットに座り、スケーリングなどで唇や粘膜の感じ方をあらためて体験することも参考になります。

動じず、穏やかに対応する

動じず、穏やかに対応する

「なんだかこの人を前にすると落ち着く」そういう人を思い出してみましょう。実はこういった人にはいくつか共通点があります。

まず、自然体であることです。患者様からからのご意見の中に、自分のかかりつけの歯医者さんは自分が歯医者であるにもかかわらず、歯が一本もなくて入れ歯もしていない、けれど腕がいいと評判で人気もあるそうです。ふつうは、歯のない歯医者さんなんて信用を失いそうですが、その人らしく自然体であることが、愛嬌があったのでしょう。歯科医師であると気張らず、ありのままの自分で構わないのです。

また、一緒にいて安心するのは、物事に動じない人です。ときには逆上したり、痛みを強く訴えてくる患者様がいるのは仕方ないことです。興奮状態にある人には過度に説明することなく、ただ淡々と対応する。冷たくではなく冷静に対応していくと、すっと患者様が落ち着いてくれることがあり、時にはじっと待つことも必要です。すべての患者様に対して、どんなことも起こりうる、というスタンスで落ち着いて対応することが、患者様の安心につながります。

そして、表情は心理を大きく左右し、とくに笑顔はとても効果的です。ある研究では自発的か意識的であるかに関わらず、笑いや笑顔は免疫機能を向上させ、ストレスを軽減し健康増進に寄与すると報告されています。笑顔を向けられると思わず笑顔になってしまう経験は誰にでもあるはずです。説明や治療がおわって患者様が診療室をでるときには、ふっと笑顔を向けてお見送りをしてみてください。作り笑いは苦手、という先生はこっそりと練習して、スタッフとあいさつするときにまた練習すればいいのです。笑顔によって、患者様はきっとまたあの先生に会いたいな、と帰りに予約をとってお帰りになるでしょう。

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