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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

女性歯科医が現場で輝き続けるために確認しておくべき方向性

働く女性が急増した今、各業界では結婚や出産後もずっと働き続けるために制度の見直しや、改善が行われながら女性が働きやすい環境が整えられえています。

では歯科業界においては、女性歯科医がスキルを生かして活躍するための働き方に対し、どのような取り組みがされているのでしょうか。

ライフイベントにおける女性の働き方の変化

ライフイベントにおける女性の働き方の変化

働く女性にとって、大きな節目となるライフイベントは、その選択によりその後の人生に大きな変化をもたらせます。結婚、妊娠、出産は女性にとって特別な経験です。特に働く女性にとっていちばん大きな転機は、出産です。子供をもつことでそれまでの働きとはガラリと一変し、家庭および子供中心の生活へとシフトチェンジします。

産後10日ほどで仕事に復帰する女性もたくさんいますが、子供の急な病気などで欠勤や遅刻、早退などこれまでにはなかった突発的な出来事が起きることは必至です。また必ず受けなければならない健診や予防接種など、スケジュール調整も必要になり、仕事のことだけを考えていた頃とは状況が大きく変化します。子供をもつ以上、実家の両親や保育園、ファミリーサポートなど、子供を預けられる環境があっても、全てを任せることは難しいでしょう。

また、親の介護が必要になるケースも現実問題として浮上してきます。このように、働く女性にとって大きな分岐点になるライフイベントを、雇用側がどのように制度を整え、働きやすい環境を整えるかが大きな課題となります。

医科においては常勤勤務から非常勤、またはパートへと雇用形態を変える、当直を免除するなど、家庭と仕事が両立しやすい環境が整っているというケースもあります。一方で、産後もそれまでと変わらない働き方を強いられるため、仕事と家庭の両立を断念し、離職するケースも多く見られるようです。これは職場の理解によりますが、理解はできても現実はなかなか厳しく、過酷な状況に離職を選択する女性医師の苦悩が窺われます。

こういった実状から、日本医師会や医療機関では結婚、出産後も女性医師のキャリアを支援し、復職しやすい支援策が推進、実施されています。

女性歯科医の働き方と方向性

女性歯科医の働き方と方向性

歯科業界は、医療業界に比べ女性が継続して働きやすい環境が整っていないのが現状です。
そんな中、厚生労働省による「第4回 女性歯科医師の活躍の在り方の方向性」(平成28年2月19日発表)が報告されました。

これは女性歯科医がスキルを生かして働き続けるため、ライフイベントに応じた働き方やカリキュラム、支援など女性歯科医に対する新たな働き方の方向性を示した内容です。

■ライフイベントに伴う離職や復職支援について
女性歯科医師が働き続けるためには、産休、育休の取得が必要となってきます。そのための制度の実施や、復職に向けての就労サポートなどを整える必要があります。

■インターネット、新聞等による情報の共有
歯科診療所は小規模ゆえに、女性が働きやすい環境を整えることは難しいとされています。しかしインターネットやSNS、新聞などで新たな情報を共有することが制度を整えること、また見直すきっかけとなるのではないかと啓発しています。

実際に、歯科医院は女性が多く就業する職場です。家庭と両立しながら働く歯科衛生士や助手など、共有できるスタッフがいることは非常に頼もしいのではないでしょうか。

このように、女性スタッフが生き生きと働く歯科医院などを紹介し、情報共有することで制度改革の推進となるのではないかと伝えています。

■女性歯科医をはじめとした雇用や医院運営管理に関する課題
歯科業界は、医科と比較して従業員の雇用や医療機関の管理、運営が整っていないことが現状です。その原因の一つに、歯科には従業員の雇用をはじめとした医院運営の管理が行われていないことがあります。

この問題を解決するためにも、歯科医師会でリーダー研修や管理者研修などを行ってはどうかという声があがっています。こういった制度を整えることが、女性歯科医がライフイベントにも関わらず、働き続けることの土台になることでしょう。


雇用形態の見直し

家庭と仕事の両立を目指す女性にとって、いちばん大きな問題はやはり就業時間でしょう。時間に捉われない常勤と異なり、小さな子供をもつ女性にとって、勤務時間は大きな弊害になり、これまでと同じような働き方を見直す時期に直面するのではないでしょうか。常勤としてバリバリ働いていた結婚前と異なり、家庭と仕事を両立させるためには雇用形態の見直しが必要です。

そこで非常勤やパートという雇用形態であれば時間に拘束されず、再び歯科医師としてのスキルを生かすことは十分可能です。

この方法は、女性歯科医としてずっと働き続けるための良い選択肢と言えるかもしれません。子供の手が離れ、親の介護の必要もない状況であれば、再び常勤に戻ることも十分可能です。


女性歯科医師に期待される働き方の方向性とは

女性歯科医師に期待される働き方の方向性とは

その方向性のひとつとして、女性歯科医師にニーズが求められる診療に携わることがあります。今、歯科業界の動きは治療中心から予防歯科、ホワイトニングに代表されるような美しさを求める審美歯科、小児歯科そして高齢化社会の象徴とも言える訪問歯科へと変化しつつあります。女性ならではの柔軟さ、優しさを生かすことでこれまでのスキルが、さらに生かせることが期待されます。

小児歯科においては、自身が子供を持つことにより、新たな目線で治療を行うことができるのではないでしょうか。子供への接し方や、保護者に対してのアドバイスなど、男性歯科医師にはない、子供を持つ女性歯科医ならではの特徴を生かせることが期待できます。

また訪問歯科は、今の高齢化社会には欠かすことのできない重要な診療です。訪問歯科は、入れ歯の調整や簡単な虫歯治療をはじめとした口腔内管理、歯科衛生士による口腔内衛生管理など、これからの高齢者の健康を支えるために欠かせない業務です。女性歯科医師として働き続けるためには、思い切った方向転換を図ることが今後のターニングポイントになるでしょう。

このように、女性歯科医が働き続けるためには周りの理解とサポート、そして制度が不可欠です。

スキルを存分に生かし、歯科医師として、また女性としていつまでも輝き続ける働き方が出来るよう業界全体で見直し、制度を整えることが大きな課題です。


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