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歯科コラム

女性歯科医師にこそ活躍してほしい!小児歯科で働くメリット

歯学部の学生に占める女性の比率が年々上がっていることもあり、女性歯科医師の比率も増加しつつあります。この傾向は、将来にわたって継続していくことが考えられます。
小児歯科は、こうして増えつつある女性歯科医師にこそ活躍してほしい分野の一つと言えます。では、小児歯科で女性歯科医師が働くことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
女性歯科医師の活躍の場を広げるために日本小児歯科学会が行っている取り組みについても併せてご紹介します。

女性歯科医師のメリット

女性歯科医師のメリット

女性歯科医師には、男性にはないメリットとして、どのようなものがあるのでしょうか。

■子供の患者さんの場合

歯科医院に通ってくる患者さんに限らず、一般論として子供は女性よりも男性を怖がったり、嫌がったりする傾向があります。言い方を変えれば、男性よりも女性に安心感を覚えやすいとも言えます。
実際に、育児をした経験のある女性歯科医師なら、子供の感情をよく理解していますから、泣いたり暴れたりする小さな子供の患者さんを、なだめたりあやしたりするのも慣れているでしょう。
また、子供の視点だけでなく、子供を連れてくる親御さんの目から見ても、男性歯科医師が泣き叫んでいる我が子の治療をしているより、女性歯科医師が優しくあやしながら治療している方が、たとえ治療内容が同じであったとしても安心できると思われます。
こうした点は、女性歯科医師ならではのメリットと言えるでしょう。

■思春期の患者さんの場合

この時期の特徴は、異性を意識するようになるという点です。
女の子の場合、男性に触れられることを嫌う傾向が生まれることがあり、むし歯で辛い思いをしているにもかかわらず、男性に自分自身の口の中を診てもらうことを嫌がることがあります。
だからこそ、女性歯科医師にメリットがあるというわけです。男性歯科医師には診てもらいたくない女の子の場合でも、女性歯科医師であれば歯医者を嫌がらない可能性があります。

つまり、女性歯科医師には、女性ならではのやわらかい物腰や雰囲気によって患者さんに安心感を与え、リラックスさせるメリットがあるということです。こうしたメリットを活かさない手はないでしょう。


日本小児歯科学会の取り組みの紹介

小児歯科医療における女性歯科医師のメリットの大きさは、日本小児歯科学会の会員の男女の構成比率にも現れています。
会員全体で見れば女性歯科医師の比率は40%ほどですが、20~30代の若手歯科医師会員で見ると、なんとその65%が女性歯科医師となっています。
若い歯科医師の間で女性歯科医師が増加していることも背景にあるのでしょうが、それにも増して、小児歯科の分野では女性歯科医師が活躍しやすい土壌があることも反映していると思われます。
こうした傾向を日本小児歯科学会でも重視し、今まで以上に女性歯科医師が活躍できるようにするための活動を行うようになりました。

■女性小児歯科委員会

日本小児歯科学会内で、女性歯科医師の活躍の場を広げることを目的に平成22年度に設立された委員会です。
女性小児歯科委員会独自の講演やシンポジウムの企画・実施だけでなく、学術大会や地方会に託児所を設置したり、医科の同様な活動をしている団体と交流したりしています。

■3S(SSS)

3S(SSS)は、日本小児歯科学会が行っている運動で、女性歯科医師が生涯を通じて活躍し続けることを目的としています。
3Sは、その目的としている『Specialist(専門医)の育成』『Skill-up(技術や能力の向上)』『Social(会員相互の親睦活動や社会活動)』の頭文字である『S』を並べた名称です。
『Specialist』:産休や育休、介護休暇によって専門医の申請や更新に影響が出ないようにしたり、学会などに参加しやすくしたりする枠組みを作ります。
『Skill-up』:女性歯科医師の視点から、地域の公衆衛生問題に取り組んだり、母子保健や児童虐待に取り組んだりします。
『Social』:保育システムや復職支援システムを構築して女性歯科医師の活動を支援したり、ほかの学会やシンポジウムなどで女性歯科医師への支援を訴えたりします。


まとめ

まとめ

近年、女性歯科医師が増えつつあります。女性歯科医師には男性にはないメリットがあり、それを活かす方法の一つが小児歯科です。
子供の患者さんの場合、男性よりも女性に安心感を感じやすい傾向があります。大人であっても、歯科医院という雰囲気だけで恐怖感を覚えることはあるので、小さな子供の患者さんなら尚更でしょう。
また、小児歯科に通ってくるのは小さな子供だけとは限りません。思春期ごろの女の子も通ってきます。この年齢の患者さんには、思春期ならではの気難しさがあり、男性歯科医師を嫌がることもあります。そんなときでも、女性歯科医師であれば治療させてくれることもあります。
そのため、小児歯科における女性歯科医師のニーズは高く、日本小児歯科学会でも女性歯科医師の会員数が増加しつつあるのです。学会としても、女性歯科医師を支援する方向でさまざまな活動をしています。
小児歯科の分野における女性歯科医師のメリットは非常に大きいため、今後活躍できる場はますます広がっていくことでしょう。


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