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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

女性歯科医同士での情報交換が成功の元|積極的に他院と交流しよう

 女性歯科医が増加している中、ひとつの医院に勤務しているため院長とふたりきり、あるいは自ら開業していて歯科医は自分だけ、悩みを共有できずにいる歯科医もいます。女性歯科医同士が交流するために必要なことを考えていきます。

女性歯科医師の現状

女性歯科医師の現状

歯科医師の総数に対する女性歯科医師の割合は年々増加傾向にあり、平成24年度には女性歯科医師総数は約2万2千人、全体の21.7%に達しました。勤務先別では診療所の勤務者が57%ともっとも多く、次いで診療所の管理者が23.%、医育機関勤務者が16%で働いています。年代別では20代が3,200人、30代が6,700人、40代が5,200人と、まさに結婚や出産、子育て真っ最中の世代が仕事と家庭を両立していることがわかります。

女性歯科医の交流はマンパワー確保につながる―開業女性歯科医のケース

女性歯科医の交流はマンパワー確保につながる―開業女性歯科医のケース

 女性が結婚し、出産、子育しながら仕事をしていくためには、独身時代にはなかった苦労があります。出産のタイミングでは必ず休暇をとらなければなりません。子供が少し大きくなっても、保育園に預けられるか、預けられてもお迎えのために早めに退勤したり、熱がでたときには病院に連れて行かなければならないため、突然遅刻せざるを得ないときもあります。時間配分は “仕事中心”から“子供中心”へのシフトを余儀なくされるのです。
開業女性歯科医T先生が、家庭に費やすための時間で空いてしまう診療時間の問題を、女性歯科医同士の交流によって対処したケースについてご紹介します。T先生は私立歯学部を卒業後、同大学歯科放射線科大学院に進学されました。進学理由は「20代は遊びたかったから」だそうです。

大学院時代はあまり開業医でのバイトを経験せず、30代になって本格的に一般歯科に従事し、一時は開業医をかけもちで週7日勤務。その頃、プライベートでは一度結婚したものの相手と折り合わず離婚、子供はつくりませんでした。一般歯科でバリバリ勤務する中で、30代で開業する夢をもち、同時に女性としての人生を考え再婚に向けて前向きに婚活もしていたそうです。そして36歳で開業し、38歳で結婚、39歳で出産を経験されました。出産前は思い切って医院を一旦休業し、4か月後に再開しました。

医院を再開するにあたり最大の難点は「マンパワーの確保」でした。スタッフは受付2名と衛生士1名。まだ生まれて間もなく保育園にあずけることも難しい状況だったため、T先生は自分の替わりに診療してくれる先生を探しました。現在では週に2回の午前中だけ出勤し、他の曜日はそれぞれ別の先生に週に1回ずつ出勤してもらっています。
 T先生はどのように代診の先生を探したか?まさに、現在に至るまでの女性歯科医の交流を生かしました。30代前半で複数の歯科医院を掛け持ちしたことで、若手女性歯科医の友人をたくさん作りました。またT先生のすごいところは、最後に会ってから数年のブランクを気にすることなく、女性歯科医の友人に自ら積極的に連絡したのです。開業し、産休で医院を休業していたが、再開することになったので手伝ってほしい。現状と要望を率直に説明し、自ら周囲に支えをもとめて医院を再開することができました。

交流は“気持ち次第”

交流は気持ち次第

 女性歯科医同士の交流をもつために重要なのは環境ではなく、“周囲の先生と交流をもとう”という本人の気持ちです。女性歯科医同士で交流を持つことは、不安や悩みの共有によりストレス発散でき、また働きたい・働いてほしいといった労働力の需要供給の場にもなります。なにより、切磋琢磨しあえる仲間を持つことはとても楽しく心身にとても良いことです。交流をもつ意義をよく理解し、自分から積極的に動いていく姿勢が何より大切です。
 交流をもちたい、と思っても行動にうつせない人のもっとも大きな原因は「嫌われたらどうしよう」という不安です。ずっと会っていないのに急に連絡したら変だと思われるかな、迷惑がられたら申し訳ない、と頭で色々と考えてしまい交流をもつことが怖くなっています。では、もし自分だったら、どうでしょうか?昔一緒に働いていた友人が、ひさしぶりに連絡してきて協力してほしい、と言われたら。どう答えるかは間違いなくケースバイケースです。どんなに時間があいたとしても、とても尊敬できて素敵な印象のある人だったら助けになりたいと思うし、嫌いだった人には良くしようと思わない。また協力したくても自分に全く余裕がなければ断らざるを得ないし、もしくは他の人を紹介することもできます。誰に声をかけたとしても、相手が自分をどう思っているか、相手がどんな状況にあるかで返答はそれぞれです。うまくいくかどうか、は声をかけてみないとわかりません。うまくいかなかったとしても、原因はいくらでも考えられるのですから気にする必要はそんなにないのです。
 交流をもちたい、と思うならどんな方法でもまず何か行動してみる。これが鉄則です。

交流の方法:①学会、セミナー
学会やセミナーはたくさんの人に会える絶好の場ですが、規模が大きく溶け込みにくさを感じてしまうかもしれません。対処する方法が2つあります。まずは学会やセミナーの情報を集め、主催または演者に自分の友人を見つけましょう。当日は必ず挨拶をして、最近どうだった?と話せば意外と盛り上がるものです。また友人づてに、新たな知り合いを増やすこともできます。もうひとつは、学会やセミナーの予習をして臨むこと。事前にどんな発表が行われるかを抄録やHPなどでチェックしていき、質問を考え、発表後に本人に直接感想や質問をしにいきましょう。演者は発表にむけてかなりの時間をさいているので、発表に関することは間違いなく喜んで話します。こうすればまったく面識のなかった人と知り合いになることも難しくありません。

交流の方法:②同窓会
 卒業してそれぞれの道に進んでいるからこそ、同じ授業やテストを受け、実習をこなしてともに時間を過ごした仲間を大切に思えます。同窓会やちょっとした飲み会に参加し、大学のときにはあまり話さなかった人と交流してみるのも面白いかもしれません。

交流の方法:③連絡してみる
 あの子、今ごろどうしているんだろう。そんなときは、深く考えずに自分からメールなどで連絡をとってみて、ごはんに行ってみることもできます。

交流を続けていくために

 交流をつくるときにも、続けていくためにも一度今の自分を顧みることも大切です。自分だって素敵な人と一緒に居たいように、相手にとって自分が交流したい人間かどうか。会ったときに愚痴ばかりいうような人とは誰も交流したいとは思いません。前述のT先生はとてもポジティブで、一緒にいると周囲が明るくなるような素敵な先生です。まずは自分が素敵な歯科医師になるよう前向きに日々努力していくことが、実は女性歯科医の交流をはかるためにもっとも必要なことかもしれませんね。

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