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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

女性歯科医が地方で就職するメリット

ここ最近メディアでも取り上げられる機会も多いUターン就職。実は女性歯科医師でもUターンを行う方がいるのをご存じでしょうか。地元での歯科医師としての就職にはどのようなメリットがあるのかご紹介していきます。

Uターン就職の現状

Uターン就職の現状

就職や転職を期に地元に戻るUターン就職ですが、現状はどのようになっているのでしょうか。最も多いのは地方出身者が就職のタイミングで地元に戻るケースです。そのため、年齢層も22歳前後が割合としては多くなっています。その一方で、結婚や転職を期に地元に戻るケースも最近では増えてきています。

地方では、給与面で収入が減る場合も多くありますが、その一方で物価が安く家賃も安いことから生活コストが抑えられるメリットもあります。また、通勤時間が少ないなど心にゆとりをもった暮らしが出来ることに魅力を感じる方もいます。

しかしながら、引っ越しを伴うことから一度、生活を始めた後に再び都会に戻ることは金銭的にも、経済的にも大きな負担となります。しっかりと検討した上で決断をする事が大切です。

では、都心の歯科医院と地方の歯科医院とでは、女性歯科医師にとってどのような違いがあるのでしょうか。まずあげられるのが給与の面です。もちろん、地方と一口に言っても地域よって給料の水準は変わってきます。

地方と都心のそれぞれどこを比較するのかによっても異なるでしょう。東京都、大阪府、愛知県などのエリアでは比較的高めの傾向にあります。また、休みの日数についても違いがあります。

一般的に都心部の歯科医院より休みは少ない傾向にあります。都内のオフィスにある歯科医院などではビジネスマンに合わせて、土日休みの歯科医院もありますが、地方では木曜休みが圧倒的に多いものです。年間を通じて休みの日数も少ないですが、その分、一日の診療時間は短い傾向にあり、夜間診療を行う歯科医院も都市部に比べて少なくなります。

さらには、専門性を売りにしている歯科医院が少ないのも事実です。例えば審美歯科で自由診療をメインに行っている歯科医院よりも、保険診療を中心に診療科目にこだわらず幅広く治療を行う歯科医院が一般的になります。所得の面からも自由診療は都市部に比べて少なくなります。


歯科医師の東京への一極集中も問題に

今や歯科医院はコンビニより多いといわれていますが、その一方で歯科医師の都心への一極集中も問題になっています。多すぎる歯科医院は過剰医療を生み出し、歯科医師、そして患者様にもマイナスとなる治療が行われることにもつながります。

都心と地方では人材のミスマッチも起きています。地方では休職中の女性歯科医師を活用していく動きも見られますが、女性歯科医師は年齢を重ねるとともに勤務時間は減少傾向にあります。これはライフイベントなどの家庭環境の変化にも原因があります。結婚、出産などで一時的に仕事を休業する必要があるためです。

しかしながら、技術職でもある歯科医師はブランクがあると、以前の感覚を取り戻すことにも時間と訓練が必要になります。入れ歯の調整をはじめ、手先の感覚に頼った細かな治療が多く存在するためです。現在は4人に1人が女性歯科医師と言われていますが、休業後の復帰を支援する制度などは少ない状態です。

地方での歯科医師確保のためにも積極的な歯科医師支援策を打ち出すことが重要になります。今後は地方でも様々な取り組みがされていてくることでしょう。


地方自治体の支援を受けられるケースも

地方では、若者が就職とともに町を離れるなど人口の減少が深刻化している地域も少なくありません。そんな問題を食い止めようと、地方自治体ではUターン就職により、移住をしてくれる方に対して支援を行っているところもあります。

長崎県ではあじさいプロジェクトと呼ばれる制度があります。この制度は医師と生活の両立をサポートするためのものです。医師の過重労働は医療の質にも関わることから社会問題にもなっており、労働環境の改善も取り組む自治体も増えてきています。

その他には九州大学病院のきらめきプロジェクトもあげられます。これは女性医師が出産、育児をしながら、医療の世界にも身を置くことができる環境、そして、介護などで時間を取られることから常勤医として働くことが難しい方へ向けた、キャリア支援の施策です。ブランクがあっても出来るだけキャリアを続けやすいよう、情報交換の場所を提供するものです。
また、現役の学生にも女性が実力を十分に出すことが出来る、そして挑戦が出来る社会について知ってもらい、学生とも交流が出来る環境があります。最終的にはジェンダー教育をはじめ性差医療などの教育も進めています。このようなプロジェクトによって、すべての医療人にとって働きやすい職場環境を提供することをめざしています。


地域貢献のために地方で開業する歯科医師も

地域貢献のために地方で開業する歯科医師も

地方では医師不足が問題になっている地域も多く存在します。そんな中、女性ならでは視点から治療を行うことを目標に、あえて地方での開業を選択する女性歯科医師もいます。

地方では高齢者の一人暮らしも多く、歯科医院へ通うのにも苦労している方もいます。訪問診療もまだ広まっていない地域もあるため、多くの高齢者の生活の助けとなるでしょう。

また、開業時には多額の資金も必要になります。親の歯科医院を継ぐなどの場合以外は、勤務医時代に貯めた資金を頭金に不足分は銀行から融資をしてもらい、開業資金と運転資金をまかなうケースが多いものです。しかしながら、銀行の融資も審査が厳しかったり、利率が高いなど悩みの種でもあります。

そんなときに有効活用出来るのが地方自治体の支援制度です。例えば過去には長野県大町市では、新規開業者に年利2%で1,500万円、最大2,500万円を融資する制度もありました。地方にはより開業をしやすい環境が整っているといえるでしょう。


まとめ

女性歯科医師はライフイベントに合わせてキャリアを柔軟に変えていく必要も出てくることから、プランを立てることが難しく思われるかもしれません。そんな方にはUターン就職を検討してみるのもおすすめです。

都内と地方では慣習も異なる部分もありますが、自治体の支援制度もあり、家庭と仕事の両立がしやすい環境もあります。キャリアを考えるにあたり選択肢の1つにしてみるのもいいかもしれません。


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