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歯科コラム

小児歯科なら欠かせられない食育!幼児食アドバイザーの講座を受けてみよう

2005年に食育基本法が制定され最近では「食育」という言葉が広く浸透し、「食」に対する人々の意識はこれまでにないほど高まっています。その一方で食習慣の乱れや食生活に起因する全身疾患の問題、情報の氾濫など食に関する問題は山積しているのも事実です。口腔内の専門家である歯科医療職には、ライフステージを通して「食」の問題に関わることが求められています。
乳児期は離乳食や幼児食を通じて口腔の機能を育む大切な時期です。一生の食生活に大きな影響を与える最初の乳幼児食、『乳児食アドバイザー』の講座を受けてさらに一生使える歯を守れるようにしてみませんか?
では『乳児食アドバイザー』とはどんなものなのでしょうか。

乳児食アドバイザーの資格とは

乳児食アドバイザーの資格とは

国家資格ではなく、企業が主催している民間資格です。料理学校の監修で1〜6歳の幼児食の基礎や実践方法を学ぶことができます。
受講資格はなく、誰でも受講することができます。そのため妊娠中の方や小さい子供がいる家庭の方、保育士や栄養士の方も受けることが多いです。

どんなことを学ぶの?

どんなことを学ぶの?

乳幼児期は学童期以降の食べ方の基礎を作る時期であり、心身の発達、味覚や咀嚼機能の発達のための大切な時期です。この時期に食事、運動、睡眠、排泄などの基本的な生活習慣が確立されます。その中でも食事面から子供の成長や発育をよりよく、食を通じて健やかな身体と豊かな感性を育てていく土台を作ることはとても大切になります。

乳児食アドバイザーの講座では、歯が生え始める頃の離乳食スタートの時期から発育に合わせて学童期前までの“食と生活”がより解りやすく学べます。

■離乳食の作り方
歯の生え始め時期の乳児への重湯の作り方から離乳食、それらの簡単でバランスの良い作り方が解ります。保存方法、月齢に合わせた食材の硬さや大きさ、必要な栄養素を考えた主食、主菜、副菜、おやつを項目に分けてバランスを取るためのメニュー作りが学べます。

■アレルギーへの対応
離乳食を始めるにあたってのアレルギー対策です。「たまご」「乳製品」「小麦」の3大アレルゲン食品の取り方や、負荷テストの方法、その他の食品の進め方が解ります。アレルギーが出た時の症状や対応方法なども学べます。

■発育に合わせたメニュー
年齢や体重に応じた食事の量や、歯の生えている本数に合わせた食材選び、必要な栄養素を含んだバランスの良いメニューがたくさん紹介されます。
メニューのワンパターン化を防ぎ、栄養の偏りを防ぐ方法、同じ食材でもバリエーションをつけた調理方法も学ぶことができるので子供の好き嫌いを防ぐことができます。

■おやつについて
幼児期は消化、吸収能力が高まる時期ですが胃の容量が小さいため一度に多く摂取できません。必要な栄養を確保するためには「おやつ」が必要になってくる場合があります。ただお菓子を与えるのではなく糖類の過剰摂取を防ぎ、成長を促すための野菜などを使った簡単で美味しい間食メニューや作り方が解ります。

■食事のマナー
成長するにつれて「遊び食べ」や「好き嫌い」、「少食、食べ過ぎ」がでてきます。そのような場合の具体的な対応方法やアドバイスが解ります。
さらに、「いただきます」などの食事への感謝や家族間のコミュニケーションの取り方やマナーの身につけ方なども学べます。

■育児全般の知識
食事に合わせて、その時期にかかりやすい病気の基礎知識や発熱、下痢、嘔吐の対処法、子供の行動理由など成長に合わせた育児全般についての知識を深めることができます。


受講方法や費用は?

受講方法や費用は?

通信講座で学ぶことができます。期間は約3ヶ月から6カ月位、費用はおよそ3万円から5万円の間が多いです。色々な会社から出されていますが、どの教材もカラフルでわかりやすくなっています。
試験があり認定書がもらえる講座もありますが、試験といっても自宅で教材を見ながら確認して行なっていくものなので心配ありません。なにより自分のペースで勉強を進めていくことができ、在宅で資格を取ることができるのは大きな利点でしょう。

子供の食育は小児歯科と家庭との協力が重要

子供の食育は小児歯科と家庭との協力が重要

歯科の立場から、乳幼児期の食支援は保護者の方へのアドバイスが主になっていきます。上下顎の切歯が生えそろい、前歯での噛み合わせができるようになってきた頃から前歯で噛み取り、ひと口量の調節を覚えていく時期です。しかし、乳臼歯は未萌出で歯槽堤に膨らみがある状態でまだ咀嚼力が発達不足ですので、すり潰したりする必要のある食材はうまく食べられず丸呑みをする原因になります。

保護者の方が乳歯の萌出時期を理解していることは、離乳をスムーズに行うことにもつながるため、離乳食の進め方に苦戦している方には合わせて乳歯の萌出時期の目安を伝えることも大切です。

子供の成長や発達は個人差があります。乳歯の萌出時期も目安はありますが、身体の大きさも萌出時期も数ヶ月から一年くらいは差が出てくることも多いです。ただ月齢がこれだけだから離乳食はこれ、と言う方法ではうまくいかない場合もあります。
歯科医院ではもちろん、家庭でも口の中をよく観察してもらうようにし、個々の発育に合わせた離乳食メニューなどを提案できるようになれば素晴らしいと思います。

小児歯科と言う場所は、ともすると生まれたばかりの赤ちゃんの時から「患者様と主治医」としてのお付き合いが始まります。気がついたら「患者様」が「保護者の方」になっていたりしますから長期にわたって患者様と寄り添っていくことになります。最近の小児歯科や一般歯科医院では子供に対する予防歯科のセミナーなどが盛んに行われています。

まとめ

「三つ子の魂百まで」という故事にあるように、幼い頃に習ったり身についた習慣は一生を左右します。その中でも食べると言う行為は生きる基本となり、健全な身体を作るためには欠かせないものです。“食”と“口”は切っても切れない関係です。その両方を正しく理解していれば健全な口腔機能を育成することができ、「一生自分の歯で食べる」ということに繋がっていくでしょう。
歯科医療人として患者様の一生をより良いものにするために「幼児食アドバイザー」の資格を取ってみてはいかがでしょうか。

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