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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

アメリカでの歯科医院開業に必要なことと試験合格のコツ

アメリカの歯科業界と日本の歯科業界の制度の違いなどにより働くスタンスに違いがあります。「日本の歯科業界と違うスタイルでアメリカでの開業に挑戦してみたい」とお考えの歯科医師や、これから歯科医師を目指す学生であれば、選択肢のひとつとして「アメリカでの歯科医院開業」に挑戦してみるのも良いかもしれません。そこで今回、アメリカでの歯科医師免許合格のコツや、歯科医院開業のために必要なことをまとめてみました。

アメリカで歯科医院を開業するのは現実的?

アメリカで歯科医院を開業するのは現実的?

■アメリカの歯科医師は年収が高い?
アメリカと日本の歯科医師の平均年収を比較すると、アメリカは142,740ドル(約1,462万円)、日本は582万円です。アメリカのほうが2.8倍も高い算出です。だからと言って、年収だけを見てアメリカで歯科医師をする方が良いと安易に考えるのも危険です。これはアメリカには医療費の保険制度がないため自然と医療費が高額になるためでもあります。まずはアメリカの歯科業界がどのようになっているのかをよく見極めることから始めましょう。

■アメリカは歯科医師不足?!
ニューヨークやカリフォルニアなどの大都市では歯科医師過剰が問題となっているのに対し、その他ほとんどの州では歯科医師不足となっています。保険制度のないアメリカでは、歯科治療を求める人が郊外や農村地帯に多いのに歯科不足ということで悪循環なのです。開業するのであれば、需要の高い地域を見極めて開業地を検討しましょう。

■近年の歯科医師不足に対する対策
アメリカでは2001年から歯科大学が増え始め、2010~2013年までに7校増えるなど、急速に歯科大学が増えています。新設された大学では、研究よりも歯科医師育成に重点を置いており、深刻な歯科医師不足を解消しようとしていることがうかがえます。日本で歯科医師を取得してからではなく、最初からアメリカヘというのも選択肢のひとつです。

■歯科医師としての「やりがい」を求めるという選択
患者様のために研究や技術を磨くことは、日本の歯科業界のレベルも高いので十分に可能です。しかし、日本は今やコンビニの数よりも多くの歯科医院があると言われており、歯科医師過剰にならない対策も取られているほどです。そこで、アメリカの歯科医師不足地域へ進出し挑戦してみるのも、歯科医師としての幅が広がる選択肢のひとつです。


アメリカで歯科医師になるためのプロセス

アメリカで歯科医師になるためのプロセス

■アメリカで歯科医師として働くには?
では実際に、アメリカで歯科医師として働くためには何が必要なのでしょうか。まず、日本で歯科医師免許を取得していても、アメリカでいきなり開業することはできません。アメリカでの歯科医師ライセンスを取得する必要があります。試験はもちろんすべて英語ですので、英語力を身に着けて勉強すれば、狭き門ということではないようです。では、どのようにしてアメリカでのライセンスを取得すればよいのでしょうか。

■改めてアメリカの歯科大学に入る
アメリカの歯科大学に入るためには、通常の大学卒業を卒業してから入るのですが、成績トップクラスの者しか合格できないほど難関です。もし入れたとしても、そこから4年間、在学中の授業料・生活費を考えるとかなりの資金が必要となります。期間や金銭面から現実的には難しいのではないでしょうか。

■歯科大学に「編入」という形をとる
アメリカの歯科大学で編入制度を行っている学校に途中から編入する方法です。この方法であれば2年程度で済むため、期間も資金も節約することができます。そしてアメリカのライセンスで日本と違うのは、歯科大学を卒業と同時に「歯科医師」と名乗ることが可能。そして国家試験のような「NBDE]という試験に合格すれば診療ができるというシステムです。合格後は、働きたい州で「SBDE]という試験を受け、合格した州でのみ診療できるのです。

■「専門医コース」を受ける
専門医コースのメリットは、1つの専門分野に特化して学ぶため、分野によってはかなり年収が高くなります。また、歯科医師ライセンスを取得するよりも授業料がかなり抑えられるのが魅力です。ただし、応募条件は厳しく、非英語圏の出身者対象の英語テスト「TOEEFL」で一定水準以上の点数がなければならず、「NBDE」に合格しているという条件も必要です。そして専門医は、指定された6州でしか歯科医師として働けないという制限があるのが若干難点です。

■大学で「博士号」を取得する
歯科大学で研究の道に進み博士号(phD)を取得すると、研究留学としてアメリカに渡ることができます。ですが、日本の博士号は4年間で取得できるのに対し、アメリカの博士号は7年間と長い年月をかけて取得します。そこで渡米後に知識不足などから大変な苦労をすることもあります。アメリカ進出のために博士号を目指すのであれば、それなりの覚悟が必要です。

アメリカ歯科医師のライセンスを取得するための攻略法

アメリカ歯科医師のライセンスを取得するための攻略法

■「NBDE]試験を受験するまでの流れ
NBDEはアメリカ歯科医師として働くために必須な試験です。選択問題になっており、コンピューター上で受験します。日本国内で受験できないため、たとえば一番近くではグアムで受験することができます。まず「DENTPIN]という個人番号を取得。そして「American Dental Association」に登録をします。登録には日本の歯科大学卒業証明書や成績表が必要です。登録完了後、NBDEの受験申請ができます。

■「NBDE」試験に合格するための勉強のコツ
日本の歯科医師国家試験は、問題文に引っかけがあったりします。ですがNBDE試験は問題自体が非常に単純な問題運びであり、過去の問題や問題集を一通りこなしていけば合格できる試験です。深く突っ込んだ回答は求められないので、広く浅くといった勉強をしたほうが妥当です。もちろんすべて英語ですので、問題集等で英文を読み取る訓練をしていきましょう。電子書籍版の問題集もあり、使いやすくておすすめです。

まとめ

アメリカで歯科医師として活動することは、たくさんの学び・経験も得られることでしょう。ただし、留学や資格試験なども必要となりますので、手続きや努力は必要です。アメリカで歯科医師としての活動に興味が沸いてきたら、どのように歯科医師として活躍するのか方向性を確立させて挑戦することをおすすめします。

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