歯科医師に与えられる資格について詳しく解説
歯科医師資格を取得された方、おめでとうございます。これから歯科医師資格を取得しようとされている方、もうすでに取得して数年経ち、開業されている方。様々な歯科関係の方、または興味がある方がこのページをご覧になっているかと思います。
そんな中で、今回は上記にありますように具体的に歯科医師はどんな資格が与えられているのか。またどんな資格を持つことができるのか。はっきりと認識されていない場合もあるかと思います。このページはそういった方の参考になればと思います。
歯科医師になるためには?
まずは資格の前に、どうしたら歯科医師免許を取得できるかお話させていただきます。
歯科医師になるためには、まず通常、歯科大学や大学の歯学部で6年間の教育を受けなければいけません。試験を受けるためにも歯科医師国家試験の受験条件というものも設けられています。それをクリアした人間だけが歯科医師国家試験を受験することができるのです。そして無事に歯科医師国家資格に合格し、歯科医師歯科医籍に登録すると厚生労働大臣から免許が発行されます。
ですが最近では歯科医師の数が多すぎるということが問題になり、歯科医師国家試験の合格率は年々低下しているようです。
そして資格を取得したからと言ってすぐに医師として診療できるわけではありません。資格を習得後、研修実地の指定を受けた病院・診療所などで一年以上の臨床研修が義務づけられています。
歯科医師に与えられる資格
歯科医師免許を取得すると歯科診療をするだけでなく、以下の資格も自動的に与えられます。
・食品衛生管理者
食品衛生管理者とは、衛生上の考慮を必要とする一定の食品・添加物の製造または加工を行う営業所が設置しなければいけない資格のことを指します。
・衛生検査技師
衛生検査技師とは病院や医療機関で検査を行う資格のことを指します
・衛生管理者
50人以上の就業者がいる事業所で衛生に関わる技術的な面を管理する資格を指します。
さらに以下の資格の受験資格や試験の免除が認められます。
・臨床検査技師
医師の指示に従って、患者の血液や尿・便・脳波などを検査する医療技術者のことを指します。
・歯科技工士
歯科医師の指示のもとで患者様のお口の中の環境を整えるために様々なものを作ることができる資格です。
・労働衛生コンサルタント
人々が快適な環境で働けるように職場へ足を運んだり、話を聞いたりして労働環境をチェックすることができる資格のことを指します。
また、歯科医師免許以外の専門医資格も取得することができます。
・歯科放射線専門医
・口腔インプラント専門医
・資本歯周病学会認定歯周病専門医
・日本矯正歯科学会専門医
などといった様々なものがあります。
ただし、試験に合格しただけで資格が取得できるわけではなく、指定機関による数年の臨床経験・論文や研究発表後など様々な事柄をクリアし、試験に合格することで専門医資格をとることができます。またこの他にも認定医といった資格もあります。
先ほどの「歯科医師になるためには」でお話させていただいたように、現代は「コンビニの数よりも歯科医院の数が多い」と言われるほど歯科医師が増えています。そんな中でずっと歯科医師として生計を立てていくには特定の症状や自分の得意分野に対して知識を深めていくことが大切になってきます。そして自分が苦手なことには参入しない、ということも効率よく仕事をする上で重要な事柄です。
歯科医師と医師の違い
ここでは普通の医師と歯科医師の違いについて簡単にご説明させていただきます。
歯科医師は歯学部、医師は医学部を卒業し、試験に合格した方がなることができます。その内容について共通しているところ、異なっているところがあります。
共通していることは歯科医師志望であっても基礎科目と呼ばれる解剖学・生理学・病理学などは歯学部も医学部も同様に全身のことを学ぶということです。
次に異なっているところです。それは臨床科目では外科学・眼科学・内科学の科目も学びますが、主に歯科に関係した事柄(歯周病学・歯科矯正学・口腔外科学)といった歯学の専門的な科目を選ぶということです。
そして法律の面では医師も歯科医師も権限の及ぶ範囲はよく似ています。ただし歯科医師はその対象とされている部位が限られています。ですが歯科治療の行為であれば全身麻酔、呼吸管理といったことも行うことができ、死亡診断書を書くこともできます。
歯科医師だけど、こんな資格も
歯科医師が増えてきている中、個人の個性を生かして歯科診療にプラスの影響を与えるために歯科医師資格以外の資格を取得している方もいます。
そのいくつかの例をご紹介します。
(1)認定心理士
認定心理士とは、心理職のプロとして業務を行うために必要な心理学に関する基本的な知識とカウンセリング技術をもつ資格を取得した方のことを指します。この資格を持っていることによって患者様とのコミュニケーションがしったりとることができ、信頼関係にも繋がります。
(2)アロマセラピスト
アロマセラピーとは香りを使って人を癒すことができるスペシャリスト。「香り」という嗅覚は「リラックス」にダイレクトに作用します。歯科医院というとどうしても緊張してしまいます。そんな中でいい香りを嗅ぎ、リラックスできる空間になったら歯科医院に通う足取りも軽くなるでしょう。
(3)カラーセラピスト
「色」の力で人を癒すスペシャリスト。「視覚」は嗅覚ともに人間の癒しにとって大切なものです。医院の中がそうした癒しの空間になると患者様だけじゃなくスタッフのメンタルも改善されるでしょうね。
以上のことからわかるように、「癒し」が歯科医院にとって大切だということが認知されつつあるようです。歯科医院は「いい治療」で歯を治すだけじゃなく、「癒しの空間」と提供することも重要視されつつあります。
まとめ
歯科医師に与えられる資格についてと、おまけのようなことも少しお話させていただきましたがいかがだったでしょうか?
日本は歯科医師が増えすぎ、試験も年々難しくなってきていると耳にします。ですが裏を返せば、ようやく日本が歯科診療の大切さにようやく気がつき始めた、という風にも考えられるのではないでしょうか?ヨーロッパやアメリカ、先進国の中でも日本は歯科医療がまだまだ浸透していないように感じます。せっっかく増えてきた歯科医師人口。資格を持つ方が先頭に立ち、日本でも歯科医療の大切さを広めていただければと思います。そのための小さな手助けにこのページがなることができたら幸いです。