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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

リハビリ専門の病院への就職|歯科医師だからできる治療

これから働くにあたり、どういった歯科医院に就職するべきか。あるいは、大きな病院内にある歯科口腔外科などに就職するべきかといったように、働く場の選択肢に悩んでいる方は多いと思います。そこで今回は、歯科医師や歯科衛生士が働くことのできる歯科医院以外の医療現場についてご紹介いたします。

歯科医院の他にも歯科医が求められている

歯科医院の他にも歯科医が求められている

というのも、昨今のあらゆる現場において歯科医師や歯科衛生士の専門的な知識や技術が多く求められているからです。その理由は、歯科医院や病院に通院し治療することができない患者が増えてきているからです。

通院が難しいとされる患者は、おもに足の不自由な高齢の患者であったり、病気や怪我などにより寝たきりになっている患者などです。また、一部では通常の治療を受けることが難しい何らかの事情を抱えている患者もいたりします。

そういったあらゆる事情により通院が難しい患者たちの治療を行なっているさまざまな現場についてご紹介いたします。

■入院中の患者の治療
病院に入院している患者のなかには、セルフケアや通常の歯科診療を受けることが難しい方がいます。それは体のどこかしらに障がいがあり、寝たきりの状態である患者です。

高齢患者のようにセルフケアが難しい寝たきりの患者は、常にカリエスやぺリオに感染しているリスクが高い状態です。さらに口腔内の菌が唾液とともに喉から肺へ流れ込み、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクも高いため、寝たきりの患者の口腔内ケアは重要な治療です。

また障がいを持つ患者の治療ができるのは、日本障害者歯科学会によって認定された医師や衛生士のみ。そのため歯科の知識のほかに特別な知識と技術が必要になる専門的な仕事とも言えます。これは、歯科医師や衛生士にしかできない治療であるとも言え、働く場の選択肢のひとつです。

■麻酔専門の歯科医
病院にはさまざまな病気を抱えた患者がいるものです。そのため入院中の患者に対し行う歯科治療において麻酔を使用しなくてはいけない場面では、患者の体調の異変、発作といったリスクに備えていなくてはいけません。そのような場面で求められるのが歯科における麻酔専門の医師です。

麻酔専門の医師は麻酔を使用している患者の血圧や脈拍や呼吸などを観察し、麻酔の量を調節したりする、非常に繊細で精密な技術が求められます。また精神的に不安の大きい患者には静脈鎮静法などを併用したりし、あくまで患者が痛みを感じず安心して治療が受けられることを優先しなくてはいけません。

このように直接患者の口腔内を治療することはなくても、歯科の知識を持ちながら、なおかつ麻酔の知識も求められる特殊な医師も必要とされていることがあります。このような特殊な仕事も歯科医師として活躍する場の選択肢のひとつです。

あらゆる障がいへのフォロー

あらゆる障がいへのフォロー

障がいがある患者はすべて寝たきりの方とは限りません。しかし、先天的に障がいを持つ患者、いわゆる発達障害や自閉症といった障がいを持つ患者も通常の歯科治療を受けることは困難とされています。

この場合の多くの患者は意思疎通が難しく、長時間同じ場所に座っていることや口を開けていることが難しいため、特別な治療や口腔ケアの指導を行う必要があります。そのため歯科の知識とともに特別な対応も求められるこの治療は、全国的にも行っているところはとても少ないのが現状です。

しかし、一部の病院では積極的に障がいを持つ患者へのアプローチを行っているところもあります。障がいを持つ患者の治療にあたる病院への就職を考えている方などは、病院のホームページを検索して探してみるのも良いでしょう。

リハビリ専門の病院

あらゆる病院のなかでも、特に寝たきりの患者が多いとされているのはリハビリ専門の病院です。そこでは糖尿病などをきっかけに脳卒中や脳梗塞といった脳の病気にかかり、その後遺症により寝たきりを余儀なくされている患者が多いからです。

近年のリハビリ専門の病院でもまた、寝たきりの患者の口腔内の環境が原因となり、誤嚥性肺炎のリスクが高まることを危険視しているところが多くなっています。そのため、障がいを持つ方の治療にあたることができる障害者歯科学会認定医や衛生士が求められています。

高齢の患者の往診治療

高齢の患者の往診治療

高齢の患者もまた通院をすることが難しい環境にあることが多いです。その理由は、病気の後遺症や高齢による寝たきりの生活であったり、日中はデイサービスに通っていたり、福祉施設に入居している方、または病院に入院している方などもいます。

あるいは自宅で生活できるものの、ヘルパーを雇っている方などもいます。ヘルパーがいる方は場合によっては通院が可能かもしれませんが、それでも可能なのはごく一部と言っていいでしょう。

このように多くのところは思うように通院することが叶わないため、歯の不調などを訴えても治療を受けることが難しくなってしまうようです。そういった患者たちにとって必要とされているのが『訪問診療』です。

『訪問診療』ではユニットチェアやライトといった設備が整っている歯科医院とは環境が異なるため、可能な治療にも限りが出てしまいます。さらに患者のもとへ訪問できる日も限られてしまうため、患者の歯のトラブルをできるだけ少なくするためのケア対策を行うこともあります。

それが衛生士によるセルフケアの指導や歯のクリーニングです。このように提供できる治療には限りがあるものの、治療のために医師や衛生士が訪問してくれることに安心感や喜びを感じる患者は多いため、訪問診療は求められています。

目が届きにくい障がい者へのフォロー

歯科医師や衛生士になったあとに多くの方が就職するのはやはり歯科医院であることが多く、また全国的に歯科医院の数は現在コンビニの数よりも多いのが実情です。それにより歯科医師も衛生士も増加傾向にあるにも関わらず、訪問診療や障がいがある患者の治療を行っている医師や衛生士は不足しているのです。

一般の患者に対するものとは異なる特別な知識や対応が求められる難度の高い仕事ではあるものの、こういった患者のために培ったものを活用することも選択肢のひとつ。

今後の就職先を考えられている方は、ぜひご参考にしてみてください。

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