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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

訪問治療を実施している歯科医院への転職|メリットデメリットを確認

最近では訪問歯科専門のクリニックや、一般の歯科クリニックでも訪問歯科を行う医院が増えてきました。高齢化社会を背景に訪問歯科のニーズも増えてきていること、歯科医院が増えてきていることによって、診療報酬が減少してきていると言われています。そのような中で訪問歯科は、一般歯科に比べてどの様なメリットやデメリットがあるのか比較してみました。

時代に合った訪問歯科

時代に合った訪問歯科

高齢化社会と言われている日本では、3人に1人が65歳以上です。その中でも65歳~74歳までは約20パーセント、75歳以上では約15パーセントと言われています。
今後この数字は伸びていくと予想されています。
外来で来院している患者様の年齢をみると、75歳を境目に低下していることがあげられていて、このあたりが訪問歯科の必要になってくる年齢層と言われています。
患者様にとってもメリットが大きいのが訪問歯科です。
歩くことが困難になった場合や、外出する際には誰かに付き添ってもらわなければならない場合でも、通院時の移動時間や待ち時間の負担の軽減になります。
治療したくても、来院することが難しい患者様は諦めてしまいがちです。その原因として、来院することが難しい患者様に対して訪問歯科を実地している訪問歯科が少ないことがあります。
コンビニより多くなっていると言われている歯科医院は他の医院と差別化を図ることが大切です。絶対数が少ない訪問歯科はライバルが少ないことや、平成24年に改訂された診療報酬が訪問歯科を後押ししています。
その内容としては、歯科訪問診療料の増点、歯科訪問診療補助加算の新設、在宅患者様等急性歯科疾患対応加算の見直しです。これによって、以前より優遇されることになりました。
採算が合うのかも大切です。初期投資としては、ポータブルユニットと移動用の車両が必要になりますが、その他は通常の診療で使用している歯科器具がほとんどです。
ポータブルユニットは診療中に歯科ユニットの調子が悪い場合でも代用することが出来るので、一般診療と平行して訪問歯科を始める場合でもメリットがあります。
診療報酬に関しても、その内容によっては少し変わってきますが、外来の診療の場合と訪問の診療の場合で比較すると、訪問歯科の場合では約3倍診療報酬が多いと言われています。
高齢者の方では欠かせない義歯の修理に関しては、約4倍もの違いがあるとされています。効率良く訪問の予約をとることが出来ると、十分に採算が取れます。
また、最近では老人福祉施設なども多く出来ているので、沢山の患者様を移動時間が少なく診察することが出来るため、効率的です。


訪問歯科に特化することのメリット

訪問歯科に特化することのメリット

訪問歯科を主に専門にしていて全国展開している企業があります。訪問歯科に特化することで、大きな施設から予約をしてもらうことが出来ますし、様々な事業の展開をしています。
歯科と介護がスムーズに連携することが出来る様に、リハビリ型のデイサービスや住宅型医療老人ホームを運営している所があります。
訪問歯科には、介護の知識は不可欠です。様々な職種の方と連携を取りながら進めていく場面も出てきます。
そんな時に、介護する施設と入居者の方に口腔内の指導をする歯科をワンストップサービスにすることで、お互いが連携を取りやすく、患者様にもメリットがあります。
また、介護の専門職の方とより情報を共有することによって、勉強することも出来るので、専門性の高い知識を得ることが出来ます。
歯科衛生士でも一定の条件を満たすとケアマネージャー資格を取得することが出来ますが、実際に現場で知識を生かす機会は少なく、介護の経験も少ないので、ケアマネージャーとして活躍することは少ないです。
しかし、訪問歯科の場合には介護の知識が必要になってきますし、ケアマネージャーと連携する上でも資格はとても有効になっています。

訪問歯科のデメリット

訪問歯科のデメリット

訪問歯科はメリットが多い様に思いますが、デメリットもあります。
一つは、移動時間をしっかりと計算しないと採算が合わなくなってしまうことです。訪問歯科は外来とは違い、準備もしっかりとしていかないと治療することが出来ません。
そのための準備にかかる時間や移動時間を考えると、効率良く診療することが出来ないと、診療報酬が3倍~4倍になっても採算が合わなくなってしまいます。
訪問歯科に診療に出ている医院は、歯科医師が一人の場合では、外来の患者様を診療することは難しいです。
そのため、移動することが出来る範囲は限られます。施設などの入所者が多く、1度に何人も患者様を診ることが出来る場合は別ですが、診療室から20分程度までが目安とされています。
軌道に乗って、近くの患者様をいくつも回ることが出来ると良いですが、その時によって都合よく予約が入ることがあるとは限りませんので、アポイントの調整はかなり大切になってきます。
また初期投資も必要になってきますので、ポータブルユニットや移動車両、移動の際に診療道具を収納するものなどは必要です。
もう一つの問題として、訪問診療は、それほど行っているところが多くないので、経験者を採用することが難しくなっています。
ただでさえ歯科衛生士の確保が難しいとされている中、訪問歯科の資料作成や介護が必要な患者様の全身状態の把握など、通常の歯科医院以上の業務を求めなくてはなりません。また、口腔ケアをすることによって、誤嚥性肺炎のリスクが少なくなることや、残存歯数や認知症の関係、など様々な知識を教育する必要があります。

訪問歯科の魅力

訪問歯科の魅力

訪問歯科は遅い時間に診療することや土日に診療することが少ないので、1度結婚などを機に退職した経験のあるスタッフには勤務時間が魅力的です。
子育てなどが一段落して働きたいと思っていても、最近の歯科医院は土日も夜遅くまで診療している所が多いです。そのため希望の勤務時間で働くことが出来ない場合がありますが、訪問歯科は経験のあるスタッフに人気の時間帯での勤務が多いので好評です。
その辺を採用の際にアピールすることによって、人生経験が多く、歯科衛生士の経験も多いスタッフを獲得することが出来ます。
訪問歯科の場合では、若いスタッフより、機転が利くベテランのスタッフの方がよりスムーズな治療を行うことが出来る場合が多いです。

まとめ

矯正や審美歯科でのインプラントなど、専門性の高い治療は、実際に治療した中での経験や知識が必要です。訪問歯科でも、介護の知識を有していること、その患者様の状態や薬の有無を把握しなくてはなりません。どの程度治療を進めることが、患者様の負担を軽減して生活の質を上げることが出来るのかという判断力も重要になってきます。
そのためには、ある程度の期間しっかりと訪問歯科で診療することが必要だと考えられます。

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