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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

勤務先が合わないからと歯科医院開業を焦るのはリスク大!

歯科医師として働いていくうえで、一国一城の主になるということは、誰もが抱く夢でもあります。「いつかは自分だけの歯科医院を開業して、経営者となるんだ」という希望のもと、毎日の診療に励んでいる方も多いのではないでしょうか。とくに、現在勤務している歯科医院が自分と合わないと感じている人は、開業へと踏み出そうか迷っているのではないでしょうか。けれども、そこは慎重に考える必要があります。ここではそんな勤務医が歯科医院を開業するにあたって考えるべきリスクを詳しく解説していきます。

開業すれば自分の好きなように診療できる?

開業すれば自分の好きなように診療できる?
勤務医は、基本的に院長などの診療方針に従わなければなりません。自分とは異なる考え方でも、その人の下で働いている以上は、考え方を合わせる他ないのです。けれども、医療を提供する歯科医においては、それが耐え難いことも多々あることでしょう。自分が正しいと思う治療法や患者さんへの対応を否定されてしまうと、歯医者としての尊厳も傷つくことがあるからです。それならいっそ、開業をして自分の好きなように診療をしよう、と考えがちです。

けれども、実際に開業をして、自分の好きなように診療をできるかといったら、そう単純なものでもありません。なぜなら、歯科業界も競争が激しい時代ですので、利益を度外視した診療を行うことが難しいからです。また、共に働くスタッフや治療を受けに来てくれる患者さんにも、いろいろな面で合わせる必要がでてきます。そういったことから、開業をすれば自分の好きなように診療できるわけではないといえるのです。

大きな借金を背負わなければならない

歯科医院の開業には、最初の段階で5千万円から1億円の資金が必要になります。多くの人は、その資金を借金して、開業することとなりますので、スタートから多額の借金を背負うというリスクが生じます。もちろんその後、数十年間、順調に経営していければ良いのですが、競争の激しい昨今、開業した歯科医院が倒産する可能性も非常に高くなっているのです。つまり、今現在の勤務先が自分に合わないという理由だけで開業に踏み切ると、人生そのものが大きく狂ってしまう可能性があることを知っておいてください。とくに、数千万単位の借金というのは、自分一人でどうにかできるものではありません。家族や親せきにも迷惑をかけることとなるのは間違いないでしょう。

開業しても儲かる歯科医院はひと握り

開業しても、倒産する歯科医院が後を絶たないという話を述べましたが、それは開業しても儲かっている歯科医院がほんのひと握りだからです。開業すると、たくさんの患者さんが来て、たくさんの収入を得られるように思えますが、実はそう甘くはないのが現実です。今の日本の開業医というのは、二極化が進んでいます。年収二千万円を超えるような歯科医院が一部にある一方で、年収一千万円以下の歯科医院も無数に存在しているのです。これは競争に勝った側と負けた側という分け方をすることもできるでしょう。

開業ではなく転職をするという選択肢もある

開業ではなく転職をするという選択肢もある
今勤めている歯科医院が自分に合わないと思っている人は、まず転職を考えた方が安全といえるかもしれません。転職して新しい職場に移れば、診療に対するモチベーションもあらためることができます。何より、自分の考えた方に合った歯科医院へ転職することも可能ですので、まずはその道を模索してみるのが一番といえるでしょう。

もちろん、自分に合った転職先を見つけるまでには、何度も面接を受けたり、たくさんの情報を集めたりしなければなりませんが、開業をするリスクやコストを考えたら微々たるものといえます。また、転職先に不満などが生じたとしても、歯科医である以上、新しい職場を見つけることは困難なことではありません。そうして歯医者としての研鑽も積みつつ、自分に最適といえる歯科を探してみてはいかがでしょうか。その経験は将来、開業する際にも必ず生きてくるものと思われます。いろいろな歯科医や歯科衛生士とともに働き、たくさんの治療技術を吸収することで、開業後に失敗するリスクも減らすことができます。勤務先が自分に合わないと感じたら、まずは転職を考えることが最善の策といえるでしょう。

まとめ

このように勤務医というのは、とても狭い世界の中で働かなければならない職業なだけに、職場が自分と合わない場合にはいろいろと悩んでしまうことも多いかもしれません。そこで安易に開業へと進んでしまうと、驚くほど多くのリスクを背負うこととなるため、まずは一度立ち止まって、冷静に考えることをおすすめします。そして、別の歯科医院へ転職するという道もあることを頭に入れておいてください。転職であれば、開業ほど大きなリスクを背負うことはありませんし、自分に合う職場が見つかるかもしれません。さらに、将来開業するための糧を得ることができるでしょう。
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