歯科医の年収と年俸はどう違う?注意すべきポイントは?
歯科医の「年収」とは?
例えば、あなたがA歯科医院で週4日働いていたとします。同時に、週1日だけ外部のB歯科医院で非常勤のお仕事をしていたとしたら、年収として表されるのはそれらを合算した収入です。ですから、A歯科医院で年に500万円の給与が出ていて、B歯科医院でも150万円の給与が出ていた場合、年収としてはそれらを合算した650万円という数字で表されます。ちなみに、この「年収」には、税金や保険料その他、残業などの手当も含まれます。
歯科医の「年俸」とは?
年俸は、年収とはことなり、1つの歯科医院から得られる報酬を意味しています。あなたがA歯科医院で働いている場合に、1年間で得られる報酬の総額が年俸です。ただし、雇用契約の段階で年俸制が採り入れられている際に使われる言葉ですので注意しましょう。つまり、年俸制ではあらかじめ1年間に支払われる報酬の額が決まっていて、それを12回に分割して支払われます。厳密にいうと、年俸を14~16等分して、毎月の給与と数回のボーナスに分けて支払われるのが年俸制です。これは一般企業とはかなり違った契約条件なので、戸惑う歯医者の人もいらっしゃいます。
年俸制に残業代は含まれるの?
一般的な月給制では、正規の就労時間を過ぎて働いた場合は、その分だけ残業代がつきますよね。サラリーで働いている人間にとって、この残業代というのは非常に大きな収入です。また、残業代がつくということから、仕事へのモチベーションも高まるというものです。
一方、年俸制の報酬体系では、基本的に1年間の報酬が決まっていて、それを12ヵ月分に分割して支払われるため、いくら残業しても報酬は同じように思えますよね。けれどもこれは間違いで、実際のところ、年俸制でも働いた分だけ残業代がつくことがほとんどです。ただし、契約内容によっては残業時間も含めた報酬額であることもあり得ます。ですから、残業代が気になる人は、必ず契約の段階で残業がどのような扱いになっているのかを確認しておく必要があります。
月給制と年俸制、どちらが良いの?
月給制と年俸制のどちらが優れている制度なのかは、一概に決めつけることはできません。その人がどのような歯科医になりたいか、どのようなライフプランを持っているかなどを勘案した上で、それぞれが最良といえる報酬制度を選択することが大切です。