転職するならビジネス街と住宅街、どちらの歯科クリニックがいい?
ビジネス街は平日の夕方から夜に患者数が増える
歯科医として転職する際に、ビジネス街を選んだ場合は、当然のことながら患者さんの多くはビジネスマンやオフィスレディとなります。そのため、歯科医院に訪れる時間帯というのも、ある程度固定してくるものです。具体的には、平日にクリニックへ来院してくる患者さんが多く、時間帯も午前中にはほとんど来ないことでしょう。なかには、仕事の合間に歯科クリニックへ訪れるビジネスパーソンもいらっしゃいます。しかし、大半は仕事が終わるころの夕方や、仕事帰りの夜に予約を入れているものです。ですから、ビジネス街で歯科医の転職した場合、主に平日の午後から夜にかけて仕事のピークとなります。
ビジネス街の土日は患者数が減る
では、土日祝日などの休日はどうなるのかというと、ビジネス街の歯科クリニックでは、基本的に患者数が減るものと考えましょう。なぜなら、ビジネスパーソンは、休日自宅のある地元で過ごすことが多く、わざわざビジネス街まで歯医者の治療を受けにくることがないからです。そのため、ビジネス街の歯科クリニックに転職した場合は、土日に休みをとれる可能性が高くなるといえるでしょう。そういった点で、ビジネス街を優先的に考える歯科医は意外に多いものです。
住宅街は午前中に患者数が増える
住宅街には、お子さまや高齢の方などが数多く住んでいらっしゃいますので、歯科クリニックに訪れる時間帯も午前中が多くなります。これはビジネス街とは正反対の現象といえるでしょう。ですから、午前中から昼過ぎにかけて一生懸命働き、夜はゆっくりしたいという歯科医にとっては、住宅街の歯科クリニックは魅力的な転職先といえるかもしれません。ただ、住宅街の場合はビジネス街と異なり、土日も忙しくなる傾向があります。そのため、土日を休みたいという歯医者にとっては少し条件交渉が大変になるかもしれませんので念頭に入れておきましょう。
患者の年齢層にも違いがある?
ビジネス街と住宅街では、歯科クリニックに訪れる患者さんの年齢層がかなり異なる傾向です。ビジネス街には、基本的にビジネスパーソンが歯医者の治療を受けに来ますので、年代的には20~60歳代の患者さんが大半を占めるといえます。一方、住宅街の歯科クリニックとなると、下は3歳くらいから、上は100歳の方まで年齢層は幅広いです。ですから、たくさんの症例を担当することができますし、いろいろな年代の患者さんと接する機会がありますので、歯科医としての診療の幅も広がります。
ビジネス街は治療に対する審美的要求レベルが高い?
ビジネス街と住宅街の歯科クリニックの違いとして、患者さんが求める歯科治療への審美的要求という点が挙げられます。例えば、東京都心のようなビジネス街で開業している歯科クリニックには、審美的に高い要求を求める患者さんが比較的多くなっています。これは、住宅街の歯科クリニックと比べても明らかに多い内容といえるでしょう。
そのため、ビジネス街で診療を行っている歯科クリニックは、診療内容もおのずとそうした患者さんのニーズに応えるような傾向にあります。そういった理由から、審美歯科の分野に強くなることは間違いありません。また、審美性だけでなく、歯科治療全体に求めるレベルもビジネス街の方が高くなっていますので、転職を検討する際には、そうした点にも注目する必要があります。
どんなキャリアを積みたいのかを明確にすることが大切
上述したように、転職先がビジネス街か住宅街かによって、経験できる症例も歯科クリニックの経営方針などもかなり大きく違ってきますので、まずは歯科医としてどのようなキャリアを積みたいのかを明確にすることから始めましょう。例えば、インプラントや審美歯科治療などの分野に力を入れたい場合は、どちらかといえばビジネス街の方が適しています。また、小児歯科や入れ歯などの補綴治療に力を入れたい場合は、住宅街の方が適しているでしょう。勤務形態や勤務時間なども、働く地域によってかなり違ってきますので、そうしたさまざまな点を考慮しつつ、最良の転職先を探すことをおすすめします。
まとめ
このように、歯科医師として転職を考える際に、「ビジネス街にするのか」「住宅街にするのか」をまず決めるというのは、効率の良い考え方といえるでしょう。なぜなら、両者の歯科クリニックでは患者層や治療方針などが大きく異なるからです。そのため、そうした歯科クリニックの所在地をひとつの目安として、転職先を検討するのもおすすめといえます。自分の求めるライフスタイルを考えたうえで、納得のいく転職先を探していきましょう。