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歯科コラム

歯科医院の承継開業とは?メリットと成功の秘訣

勤務歯科医師にとって、最近の歯科医師過剰な世の中では、新規に開業するのはなかなかハードルが高くなってきました。
そこで注目されているのが、歯科医院を引退する歯科医師から譲り受けて開業する「承継開業」というスタイルです。
自分で一から作り上げる新規開業と、譲り受けて開業する承継開業、どちらにするべきか迷っている歯科医師もいるでしょう。
そこで今回は、歯科医院の承継開業のメリットなどについて分かりやすく解説します。

歯科医院の承継ってなに?

歯科医院の承継ってなに?

歯科医院の承継開業とは、すでに開業している歯科医院を譲り受けて開業することです。一般的には、年齢や健康面から引退を考えている開業歯科医師から譲り受けることが大半ですが、中には開業歯科医師の急逝によるケースなどもあります。
今までは、親から子への承継が多かったのですが、最近の歯科医師国家試験の合格率低下の影響や少子化によって、子どもが歯科医師でない場合も多くなり、全くの他人へ売却するという承継ケースも増えてきました。
一から全て作り上げるより承継開業の方がリスクも少ないということで、承継開業を勧める業者もいるのです。


歯科医院を承継して開業するメリット

■開業コスト
承継開業では、すでに存在して診療している歯科医院を譲り受けるので、土地や建物だけでなく、医療機器も揃っています。そのため、開業時のコストを抑えることができるのです。
歯科の診療報酬を考えると、借金を減らすメリットもあり、開業コストを抑えることができるのは、とても魅力的といえるでしょう。

■準備期間
承継開業では、そこで働いているスタッフも引き継ぐことができます。新たに求人をかけて新規採用を行い、一から教育する必要がないため、開業の準備期間を短縮することができます。

■患者
承継開業では、すでに譲り受ける前から通ってくれている患者さんがいますので、患者数ゼロからの開業とはなりません。
その分、経営面のリスクも少なく、早い段階で経営を軌道に乗せることが望めます。

■融資
すでに患者さんがいるので、銀行からの融資が受けやすい場合もあります。


歯科医院の承継開業でのデメリット

歯科医院の承継開業でのデメリット

■物件が少ない
承継開業の物件そのものが、なかなか存在しない、もしくは見つけられないことがデメリットと言えます。
物件が少ないということは、希望する場所での開業もまた難しいということです。

■老朽化
すでに土地や建物、医療機器が揃っているのが利点でもあるのですが、やはり老朽化している可能性は無視できません。
特に、以前から退職を考えているような歯科医師の場合は、新規の設備投資をせず、老朽化した機器を修理して繰り返し使っている場合や、建物も設計が古く大規模な改装が不可欠な場合も見られます。
修理代が高くつくリスクや、突然の故障や廃棄のリスクもありますし、何より古い歯科医院では、最近のデジタル化による歯科医療のIT化に対応するのが難しい可能性もあります。

■患者さんやスタッフとの関係
既存の歯科医院を引き継ぐわけですから、前院長の診療方針や診療スタイル、診療時間、雇用条件をある程度は踏襲しなければなりません。
診療方針が急激に変わってしまうと、通ってくれいていた患者さんが戸惑って離れてしまうばかりか、勤めてくれていたスタッフも離れてしまい、途中で新規採用、新規教育をしなければならなくなる可能性もあるのです。


歯科医院の承継を成功させるために

■承継前から勤めておく
承継開業前から、承継歯科医院に非常勤でもいいので勤務しておくほうがいいでしょう。
勤務しておくことで、数字の上では分かりにくい患者さんの傾向や、スタッフの人柄、現院長の経営方針、診療理念が理解できるからです。

■患者離れを防ぐ
承継したからといって、診療スタイルを一気に変えてしまうと、前院長を慕って通ってくれていた患者さんが離れてしまう可能性があります。
診療方針や理念が前院長と異なっていても、いきなり180度変えてしまうのではなく、年月をかけてゆっくりと変えていくほうがいいでしょう。

■スタッフの円滑な引き継ぎ
すでに働いているスタッフは、患者さんのことについても情報をたくさん持っています。
引き続き雇用できるなら、そのメリットはとても大きいと言えるでしょう。
しかし、人間関係には相性もあるわけですから、必ずしも新院長と上手くいくとは限らないのが、困ったところです。
開業して借金も多い時期に、それまでと同じ条件で雇用できるかどうかという問題もあります。
開業後に、以前のスタッフがそろって急に退職してしまったというケースもあります。
承継前に、しっかりと面接し、今後の雇用条件と診療理念について理解と同意を得ておかなければなりません。
場合によっては、新しいスタッフに変えた方がいいこともあります。


まとめ

歯科医師が過剰と叫ばれている現在、全くの新規開業よりも承継開業の方がリスクは少ないという見方があります。
承継開業であれば、すでに土地や建物、医療機器だけでなくスタッフや患者さんもいます。
しかし、承継開業には承継開業のリスクがあります。
工夫次第では、承継開業のリスクをある程度解消することもできます。
「あそこの歯医者、先生が代わったけど、新しい先生もいいからこれからも通おう」と思ってもらえるようにしたいですね。


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