まず必要なことは「転職の予定を立てる」ことです。何のビジョンも無く転職をしようとしても、絶対にうまくいきません。計画的な転職は、最初の計画をいかに入念に行えるかにかかっています。
まず、「何のために転職したいのか？」を明確にすることです。現在の職場に何らかの不満がある、あるいは現在の職場では達成できない目的があると推測できます。しかし、それが漠然としたものである場合、今後の行動にも支障が出ることになります。何のために転職したいのかを明確にしておきましょう。
次に「いつまでに転職したいのか、あるいはいつ転職するのか？」を明確にしましょう。転職の目的が時間的に問題のある場合、その問題を回避できるタイミングを見計らう必要があります。また、転職するということは現在の職場を退職するということですから、そのタイミングにも注意しなければなりません。
歯科医師の転職は大きな転機となります。ご自分のライフプランに即した転職を実現するためには、相応の計画が必要です。決して漠然とした気持ちや心構えで転職しようとは考えないでください。

転職の計画がある程度出来上がったら、転職先を探しましょう。古典的な転職先の決め方としては「知人の紹介」です。勤めている歯医者の責任者からの紹介であれば退職もスムーズに運ぶことでしょう。ですが、最近では一般的な職業と同じく「転職サイト」を利用する人も少なくありません。
転職先を探す方法は何であれ、重要なことは「自分が希望する就職先であるかどうか？」ということです。転職の目的を明確にしている以上、その目的に合致した転職先でなければ意味がありません。よくないことは、転職先について「そう思っていた」という結果になることです。実際に転職して働いてみたら、実は自分が思っている目的には程遠い職場になる可能性もあります。特に、転職先についてしっかりと下調べせずに転職した場合に起こります。
転職サイトを使えば、転職先の職場がどのような内容であり、自分の目的と合致するか把握できます。もちろん、その上で転職先の公式サイトを見るなどをして本当に目的に合った職場であるということを確認することが重要です。

よほどの人脈で転職先を探さない限り、転職に際しては「面接」を受けることになります。歯科医師だからと特別な考えで面接に望むことは不要でしょう。面接における、社会人として当然のマナーを守ることが最低限の準備となります。特に初対面の相手である場合は、立ち居振る舞いから「人となり」を判断されることになります。本当は礼儀正しい人でも、初対面時のちょっとした振る舞い一つで面接に大きく響く可能性もあります。また、面接にあたっては「履歴書」も必要になります。殆どの場合はコンビニでも売っているような市販の履歴書で問題ないでしょう。記入に関してはできるだけきれいな字で、最近では「パソコン入力した履歴書」でも受付してくれる場合がありますので、可能であれば利用してみましょう。

転職先が見つかったら、現在の勤め先を退職する準備をします。最も重要な事は「後腐れなく退職する」ということです。勤め先の人との人間関係を悪化させるような退職の仕方だけは絶対に避けてください。
退職については、就業規則をきちんと確認する必要があります。大抵の職場では、退職について規定されているはずです。例えば「退職する場合はその1ヶ月前までに申し出る」といった内容です。退職するということは「その職場の人手が減る」ということになります。その人員補充や引き継ぎなどが必要になりますので、退職の願い出は早めに行いましょう。
「退職願」と「退職届」の違いについても説明しておきましょう。退職願は「退職させてください」という願い出であり、これをもって退職とはなりません。手続きの都合上、それとは別に退職届を書かされることになると思います。退職届は「退職するという届け出」であり、手続き上これが必要になるケースが多いです。
転職は、転職元と転職先の両方の都合を合わせる必要があります。転職先の初出勤日に、転職元の就業規則にある期日を守れないような退職の願い出はあってはなりません。早い段階で退職に関する就業規則を確認しておき、余裕をもってスケジュールを組んでおきましょう。
急に退職を願い出ても、困るのは転職元の人たちです。おそらく、人間関係は大きく悪化することでしょう。歯科医師同士の人間関係を悪化させることは今後の仕事にも差し支える可能性がありますので、十分に注意してください。