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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

歯科医師と他の業種の平均年収から見る違いとは

一般的に歯科医師は高収入を見込める業種と見られていますが、実際の平均年収はいくらほどなのでしょうか?ここでは勤務医と開業医との比較ではなく、歯科医師と他の業種と比べてみることで、両者の平均年収にどんな違いがあるのかを見ていきたいと思います。

歯科医師の平均年収

歯科医師の平均年収

まず歯科医師の数は約10万人に上ると言われています。それほど多い歯科医師の平均年収は一体どれくらいなのでしょうか。平成27年度人事院統計表によると、歯科医師の平均年収が1212万円という結果が出ました。これはあくまで平均年収なので、これより年収が多い歯科医師ももちろんいます。

例えば開業している歯科医師がそうですが、割合はほんのわずかでした。ある調査では、日本全国に現在約10万人いる歯科医師のうち、26.7%が診療所での勤務医という報告があります。

つまりそれ以外の歯科医師は開業医ということになります。実際に歯科医院は全国に約8万件以上あると言われています。しかしそれだけ多く乱立している歯科医院の中で、年間医業収入が1億円に達する医院は全体のわずか約3%でした。歯科医師として開業しても成功するのはなかなか難しいようです。

勤務医も含めた歯科医師全体の年収としては、平均1200万から1400万円あたりが多いといえるでしょう。さらに年齢ごとの年収を調査してみると、年齢を重ねるにつれて年収がどのように上がっていくのかが分かります。


年齢別歯科医師の平均年収

歯科医師の平均年収は、歯科医師が年齢を重ねていくにつれてアップしていきます。20歳から64歳の歯科医師の年齢を5歳ずつ区切り、それぞれの年代で年収、月額給与、ボーナスを比較した調査があります。その結果、年収、月額給与、ボーナスとも最も高いのは50歳から54歳でした。年収が1454.4万円、さらに月額給与は91万円、ボーナスは363.6万円でした。

しかしこの調査の結果は前後の年代、つまり55歳から59歳までの年代層と、45歳から49歳までの年代層との間で大きな差はそれほどありませんでした。55歳から59歳の年収は1393.8万、月額給与は87万、ボーナスは348.5万円、さらに45歳から49歳の年収は1357.4万、月額給与は85万、ボーナスは339.4万円でした。数十年に及んでこれだけ高額の年収を得ることができるということです。

また冒頭に触れた歯科医師の平均年収は、主に40歳代前半の年齢層の収入と合致しています。つまり40歳代前半ですでに歯科医師の平均年収と言える収入が見込めるにも関わらず、その後40歳代後半、さらに50歳代と、ますます年収がアップしていくのです。

またこれらの年収のデータを基にして歯科医師の生涯平均年収も計算できます。30代の年収は約900万、40代で約1400万、50代で約1600万、60代で約1400万とすると、生涯年収は約4億5000万円だと推測できます。この生涯年収は、一般のサラリーマンの生涯年収と比べても相当に高い水準だと言えます。ある程度の年齢まで歯科医師を続けていれば、このように安定して高収入が見込めることでしょう。

ではさらに歯科医師以外の業種の平均年収も比べることによって、歯科医師と他の業種の違いを見てみましょう。


歯科医師以外の業種の平均年収

歯科医師以外の業種の平均年収

ある人は高収入の業種と聞いてイメージしやすいのは医師かもしれません。そこで勤務医師の年収、さらにその他の業種の平均年収を例に挙げることによって、歯科医師の平均年収が高いのかどうかを見てみましょう。厚生労働省調べによると、勤務医師の年収は1479万円、月収は123万円でした。大学病院の医局に進んだ場合は、講師や教授、助教授など肩書きにより700万円台から1000万円台、平均年収はおよそ800万円ほどです。勤務医師の場合は、同じ医師といえどもその年収は決して高くなく、むしろ歯科医師よりも低い場合もあるようです。勤務医の手取り月給はおおよそ80万から90万程度、ボーナス等は200万円程だそうですが、給与よりも低い場合もあるようです。開業医になれば平均年収は1200万から2000万円台へとアップする可能性もあります。しかし全体的に見て、医師の年収は歯科医師と比べすごく高いということはなく、むしろ歯科医師の方が、年収が高い場合もあります。これは注目に値するのではないでしょうか。

次に日本の平均年収も見てみましょう。国税庁の調べによると、平成27年度の日本の平均年収は420万円でした。公務員の平均年収は615万円でした。業種そのものは安定していると思える業種でも、年収は特別に高いという訳ではないようです。


歯科医師の平均年収は安定している

歯科医師の平均年収は1200万円台と、一般的な業種の年収と比べて高い水準を維持していることが分かります。歯科医師の中には、勤務歯科医師よりも開業医の方が高い年収がもらえる、勤務医は儲からないと考えている歯科医師も少なくありません。確かに開業に成功すれば年収が数千万台、さらには1億円台を突破することも夢ではないのかもしれません。

しかしこの平均年収は、診療所に勤務している歯科医も含めた全体の歯科医師の平均年収です。つまりあえて開業しなくても、一般的な歯科医師の年収として1200万円程度は誰でも見込めるということになります。

さらに歯科医師の平均年収と日本の平均年収と比べるならその年収が安定していることは明らかで、年収の差は約800万円もあります。すでに触れているように、もし医師が大学の医局内で勤務しているなら平均年収は約800万円でした。歯科医師として勤務していると、一般的な日本の平均年収にプラスして大学医局の勤務医の年収も加わったのと同等の年収がもらえる、という計算になります。

もちろんこれは推測の結果に過ぎないので、歯科医師になれば必ずそれだけの年収が見込めるという訳ではありません。ですが歯科医師の平均年収が他の業種と比べて安定しているということを示すのには十分ではないでしょうか。


まとめ

歯科医師という業種は様々ある業種の中でも、高収入が十分に見込める数少ない業種であることを、歯科医師である人たちは忘れないようにしましょう。どこで勤務しているかに関わらず、歯科医師の年収は他の業種の一般的な年収を大幅に超えた年収であることは変わりません。歯科医師として働くなら、生涯を通して安定した収入を得られるでしょう。


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