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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

研修直後の歯科医が開業したクリニックへの就職で技術は身につく?

国家試験合格後、1年の臨床研修を終えた新人歯科医師は、多くの場合技術習得のために歯科医院へ就職します。ではこの就職先が、研修修了直後の歯科医師が開業した医院であった場合、治療技術などの習得は望めるのでしょうか。

1年間の研修後、歯科医として認められる

1年間の研修後、歯科医として認められる

歯科医師になるためには、歯科大学卒業後国家試験を受験し、合格する必要があります。国家試験合格後は1年間の卒後臨床研修期間に入ります。歯科医師臨床研修であるこの研修期間を経て歯科医としての資格を得ることで、患者の治療を行う資格を持つことが出来ます。


新人歯科医師のほとんどが歯科医院へ就職する

研修を終え、歯科医としての資格を有した新人歯科医師のほとんどが、希望する歯科医院に就職して技術の習得や社会人としてのスキルを身に付けていきます。特に新人歯科医師の受け入れを幅広く行っている規模の大きな歯科医院で学べることは、実は技術だけではありません。教育カリキュラムが整った歯科医院で働くことは、開業など将来に必要なノウハウを身に付けることも大きな目的の一つです。

■独自のカリキュラムプログラムにより若手歯科医師を育成する
歯科医師として患者を診療するためには、何よりも技術の取得が大切になります。
就職先の歯科医院によっては、「ドクターキャリア設計」といった、歯科医師として必要な診療システムの把握、保険治療の技術から自費治療までの技術を、段階を経て習得していくプログラムがあるようです。歯科医療の基本である保険治療の技術と同時に、患者の信頼を得て、徐々に担当患者を増やしていきながら日々治療をこなしていきます。

■歯科医の仕事は歯科治療だけ?スタッフ教育、社会人スキルなどは?
就職した歯科医院が学べる環境かどうかということは、自分の今後の歯科医師人生を設計する上で非常に重要な事柄だと言えます。それは学ぶ事柄が技術だけではないからというところに大きな理由があります。
歯科医療とは、歯科医師ひとりだけで働いているわけではなく、他のドクターや歯科衛生士、歯科助手、TC、受付などたくさんのスタッフの協力によるチーム医療です。特に将来独立し、開業を目指す場合、歯科医師として技術の習得、向上だけではなく医院経営のためのノウハウ、ひいてはスタッフ教育や診療理念などについても学ばなければいけません。特にスタッフ教育を学ぶことはとても大切です。いくら歯科医師の腕が良くても、周りのスタッフのレベルが低ければ医院全体の評判に大きく影響します。スタッフをきちんと教育しながら働きやすい環境を整えてあげるなど、医院の土台作りを学んでおく必要があります。自分が就職先として選んだ歯科医院では、院長や先輩歯科医師がどのようにスタッフと接し、スタッフのモチベーションをあげ、どのようにして医院のために動いているかを目の前で体感し、習得する絶好の機会なのです。
また社会人としての常識をも学びます。大学を卒業し一般企業に就職した新社会人は、仕事とともに社会人としての一般常識やスキルも同時に身に付けていきます。歯科医師も同じように、治療技術以外に一般常識として言葉の用い方、業者との付き合い、取引銀行など歯科業務以外を学ぶことは、今後歯科医師としてだけでなく、院長となって医院を経営する立場になる上で欠かせません。

■歯科医院経営に欠かせないスキルを習得することが出来る
将来開業医となるためには、マーケティング、マネジメントスキルは不可欠です。これらのスキルを習得できる歯科医院を探し、就職することで将来、自身が独立・開業した際に大きく慌てなくてすむことも考えられます。

このように、就職先の歯科医院の育成体制、院長の経歴により、効率的かつ合理的に技術や開業に必要なマネジメントスキルを身に着けることができます。


よく調べて就職先を探すこと

よく調べて就職先を探すこと

臨床研修を終えたあと、様々なスキルを習得するため多くの場合歯科医院へ就職しますが、実はすぐに開業するパターンもなくはありません。つまり、研修を終えたばかりの新米歯科医師が実績を積まずに開業、院長として経営者を兼任するパターンです。この場合、他の歯科医院で多くの研鑽を積み、様々な治療パターンや更に高い技術力を得ているとは言えない、つまり技術の未熟な院長と言えます。この院長が求人を出し、そこへ就職した場合はどうでしょうか。経験も実績も技術も積んでいない院長では、本人のノウハウ不足があるかもしれません。
未熟な院長が、自分とほとんどキャリアの変わらない新人歯科医師に技術を伝えることは難しいでしょう。実践でこなしていけばいいと考えるかもしれませんが、トラブルが起きたときや、何かに行き詰ったときに、それをカバーできる技術と理論を持ち合わせていないと対処できません。そうすると、患者から信頼を得ることが難しくなります。

院長や先輩歯科医師がいてこそ、柔軟で適切な対処ができるのです。つまり、歯科大学や歯学部で学んだ6年間と、1年の研修だけでは、日常の様々な治療パターンを何事もなくこなすことは難しい考えられます。技術が未熟故に、当然失敗も起きます。未熟さや失敗を、周りの助けやサポートにより経験として積み上げ、自分の技術を少しずつ上げていくのです。そしてこの技術習得には周りのスタッフだけでなく、患者にも勉強をさせてもらっているのです。
周りの助けだけでなく、自身がサポートに回ることで連携プレーが成り立つこともあり、これがチーム医療だと実感することも多々あるでしょう。それはスタッフ教育が行き届いた院長が率いる歯科医院の象徴とも言えます。

しかしスタッフ教育とはどういったことなのか知らないまま求人を出している院長の下では、このようなスキルを身に付けることは難しいのではないでしょうか。それはマーケティング、マネジメントスキルにおいても同じことが言えるでしょう。歯科医院が飽和状態の現在、ただ治療だけ行っていても患者は集まりません。生存競争が激しい歯科業界で開業をし、すぐに閉院に追い込まれる歯科医院も少なくありません。


技術その他が学べる環境かどうかをきちんと把握しておくこと

このように、歯科医師としてのキャリアがないまま開業した医院とそうでない医院では、様々な面で大きな違いがあります。歯科業界で長く働くためには、就職を希望する歯科医院の院長の経歴や医院理念、スタッフ教育などについてどのような考えを持っているのかを事前にしっかりと調べておく必要があるでしょう。


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