Quick Search
気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

ブラックな歯科医院に就職しないために知っておくべき見分け方

良い就職は、良い人生を歩む上で重要です。それなのに、ブラック歯科医院に就職してしまっては、たとえ短い期間であっても辛い人生経験となります。つまり、ブラック歯科医院とは労働基準法や関連法令を無視し、あるいは法の不備を悪用するような歯科医院のことです。
そういった状況を出来るだけ回避するために、就職する前に知っておくと役立つポイントをご紹介します。

応募する前に求人広告をよく見ましょう

応募する前に求人広告をよく見ましょう

まずは応募する際に求人広告の内容を隅々まで確認しましょう。主にチェックすべき点は、以下のとおりです。

■「労災保険」「雇用保険」(または「社保完備」)とありますか
労災保険は、業務上の事由または通勤により負傷するなどの際、労働者などに給付を行う保険制度です。通常は歯科医院開業時に医院単位で加入し、そこで働く人全員が対象となり補償を受けることができます。

歯科医療においては、針や鋭利な器具の使用は不可欠ですし火も使います。また観血的処置も日常的に行うという意味では、労働者は常にケガや病気のリスクにさらされています。多くの医院は開業時に加入しますが、まれに未加入の場合があります。念のため確認することをお勧めします。

雇用保険は、退職や休職時に規定の給付を受ける権利が得られる保険で、就業者ごとに入ります。1週間の所定労働時間が20時間以上であること、31日以上引き続き雇用されることが見込まれること、が適用要件です。要件を満たさないパート勤務などは加入することができませんが、フルタイム勤務はもちろん、要件を満たすパート勤務ならば加入することができます。

就職する前から辞めた時の備えをすることに、若干の抵抗を感じるかもしれませんが、不測の事態はいつでも起こりうるものです。要件を満たしているにも関わらず、加入してくれないブラック歯科医院もありますので、しっかり確認しましょう。

■何年も前から繰り返し求人していませんか
求人広告やサイトで、しばしば目にする歯科医院があります。就業場所や条件は決して悪くない、むしろ良い方なのに、半年から数年に渡り断続的にでも掲載されている歯科医院は、要注意です。医院が大きくなったり診療時間が長くなった、といった明確な増員理由がない限り、常に人手不足で求人するのには、何らかの原因があるからです。

■「どの時間帯でもOK」となっていませんか
言い方を変えると、どの時間帯も人が足りない、ということです。たとえ自分の希望時間に勤務が出来ても、他の方が入って他の時間を埋めない限り、希望時間以外の勤務も依頼され断りにくくなることがあります。ブラック歯科医院においては、人手不足を理由に労働時間が増えていく傾向がありますので、注意が必要です。

■賃金が相場に対して高くはないですか
地域や職種などによっておおまかな相場があります。その相場をはるかに超えて賃金を高くするということは、何らかの理由があります。業務内容の専門性が高い・就業時間が朝早いか夜遅い、など納得のいく理由がある以外は、ブラックなため就業者の足りない歯科医院の可能性があります。

■有給休暇や退職金制度はありますか
有給休暇は、賃金が支払われる休暇のことで、労働基準法で規定された労働者の権利です。就職後6カ月経過すると、フルタイム勤務だけでなくパート勤務にも日数の差はありますが付与されます。ブラック歯科医院では、快く有給休暇を取らせてもらえないことがありますが、これは労働者の当然の権利ですので、しっかり確認する必要があります。

そして退職金制度も重要です。フルタイムで働く場合、大切な要素です。ただし法的な規定はありません。


面接で医院を見極めることも忘れずに

面接で医院を見極めることも忘れずに

面接は、自分が見られる場である以上に、自分が歯科医院を見る場でもあります。面接を受けながら、院長の人柄をよく観察します。
歯科医院は院長によって決まると言っても過言ではありません。自分の人生の一部を委ねるのですから、院長は「尊敬できる」人柄であることが大切です。診療において、何を1番大切にしていますか?など、院長の歯科医院に対する思いをこちらから訊いても良いと思います。ブラックか否か、人柄に出ます。

■スタッフは、気持ちの良い挨拶をしていますか
挨拶は、心の状態を表します。友好的であれば、「目を見て、笑顔で、やや高めのトーン」で挨拶します。スタッフが、医院や仕事に不満を持っていたり、院長に尊敬の気持ちが無いならば、その気持ちが挨拶に表れ、「顔を見ず、無表情で、低めのトーン」になります。もちろん自分自身は気持ちの良い挨拶をし、スタッフの挨拶を注意深く見ます。

■求人広告やサイトに掲載されている内容と相違がありませんか
とにかく来てほしい!という思いから、実際より好条件の内容を記載している場合があります。一つ一つ確認した方が良いです。
患者への対応の仕方は良いか、清潔感のある歯科医院かどうかも重要です。

院長の患者に対する態度は、自分の考え方と一致していますか。スタッフの患者への態度が、仕事の不満を現していることもありますので、さりげなく観察しましょう。

歯科医院において最も重要な業務は、「患者を診療すること」です。人手が足りない、スタッフに仕事への意欲が無いといった状況にあると、「清掃」が十分でないことが良くあります。スタッフに歯科医院へ対する愛着があれば、清潔で気持ちの良い環境づくりへの意欲は自ずと湧いてくるものです。気が付いた人がやればよい、といった部分を誰もやらないようでは、スタッフより院長に問題ありと言っても良いと思います。


試用期間を活用してみましょう

試用期間を活用してみましょう

実際に働いてみないと分からないこともあります。しかし2~3日も働けば、その歯科医院がどのようなところなのか、概ね分かります。試用期間中に、「数年先の自分」が成長して生き生きと働いているかどうか想像してみましょう。フルタイム勤務は、試用期間でも社会保険の加入手続きなどあり辞めにくい状況になる場合もあります。しかし、「違う」と確信したならばズルズルと続けず気づいたときに辞めるべきだと思います。

■就職すると決めたら「就業規則」を見せてもらいましょう
きちんとした歯科医院であれば「就業規則」があり書面になっています。就業内容や各種保険・有給休暇・退職金制度などを最終的に確認します。


まとめ

以上、ブラックな歯科医院に就職しないために、知っておくと良いポイントをご紹介しました。
求人情報だけでは分かりえない内容もあり、表向きはブラックでなくとも実際就職したらブラックであったというケースもあります。面倒であっても一つ一つ「自分自身でしっかりと確かめる」ことが、最善の方法です。ぜひポイントを念頭に、賢い就職活動をして良い人生を歩んで頂けたらと思います。


お問い合わせ
当サイトに掲載されているコラムの内容や求人情報に関するご質問は左のボタンからお問い合わせください。

^