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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

短時間勤務の歯医者として働く!年収や労働時間はどうなる?

厚生労働省では、フルタイムではなく「短時間勤務の正社員」という雇用形態を推進しています。
歯科医師にとって、短時間勤務にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。また、年収にはどのような影響をもたらすのでしょうか。
今回は、短時間勤務の歯科医師について解説します。

短時間正社員とは?

短時間正社員とは?

■短時間正社員制度について

短時間正社員制度とは、厚生労働省が正社員の雇用を促進する方策の一つとして推進している新しい雇用制度です。
仕事をしながら育児や介護を両立させる必要がある場合や、健康に不安がある場合など、いろいろなニーズに応じるべく、仕事の時間に融通を利かせた働き方を目指しています。

■短時間正社員の特徴

短時間としつつも、基本的には正社員と変わりませんので、労働契約上、雇用期間が定められることはありません。つまり、無期労働契約に基づいた雇用を受けられるということです。
また、フルタイムに働いている正社員と単位時間あたりの基本給や賞与額、退職金の条件が同じとなります。
つまり、フルタイム正社員と短時間正社員の違いは、「1週間あたりの所定労働時間が40時間に満たないかどうか」という点だけということです。

■パートタイマーとの違い

パートタイマーも、フルタイム正社員と比べて1週間あたりの所定労働時間が短く、その点では短時間正社員と同じです。
しかし、厚生労働省は、パートタイマーの労働契約形態について特に何も定めておらず、一般的には雇用期間に定めのある有期労働契約となっています。
そのため、雇用契約期間に定めがある点が、短時間正社員との違いなのです。


短時間勤務のメリットとデメリット

■メリット

フルタイム勤務では、子育てや介護のために時間に制約があるような場合に、仕事と育児や介護を両立させることが可能です。
また、正社員なので、パートタイマーよりも就労条件が安定しています。

■デメリット

1週間あたりの労働時間が20時間以上なければ、雇用保険に加入できません。
また、短時間正社員に関する労働契約、就業規則、賃金規定が定められていなかったり、無期労働契約が結ばれていなかったり、賃金規定による処遇が正社員と同じでなかったりすると、社会保険そのものに適用外とされることがあります。


短時間勤務の歯科医師の年収

短時間勤務の歯科医師の年収

では、気になる短時間勤務の歯科医師の年収を見ていきましょう。

■賃金構造基本統計調査

歯科医師がどれくらいの収入を得ているのかは、厚生労働省が行っている賃金構造基本統計調査が参考になります。
賃金構造基本統計調査では、歯科医療機関を無作為に抽出して賃金調査をしています。
我が国の場合、歯科医師の9割弱が歯科診療所に勤めていることを考えると、この賃金調査は、歯科クリニックでの平均賃金とみなすことができます。
平成28年のデータを見てみると、歯科医師の平均年齢は40.3歳となっています。
しかし、同じ厚生労働省が行っている平成28年の医師・歯科医師・薬剤師調査の場合、歯科医師の平均年齢は診療所勤務歯科医師が52.9歳、病院勤務歯科医師が37.9歳で、歯科医師全体では51.1歳となっているのです。
ただし、賃金構造基本統計調査はサンプル調査、医師・歯科医師・薬剤師調査は全数調査なので、後者の方が統計の確度が高いと考えられます。
平均年齢を比較してみると、賃金構造基本統計調査がどこまで正確なのか迷うところもありますが、他にパブリックな統計がなく、こちらを参考に見ていきたいと思います。

■短時間勤務の歯科医師の給与

賃金構造基本統計調査によりますと、平成28年は1時間あたり4200円ほどです。
短時間正社員の場合、1週間の勤務時間はそれぞれ異なりますが、仮に38時間として計算してみましょう。
1年は52週間あります。完全週休2日で考えると休日は104日、そして祝日は年間14日あるので、休みの日は104 + 14日で118日となります。これに夏休みや年末休みが加わると、125日前後となるでしょう。
そして、1年は365日なので、仕事日は240日とします。午前診だけの勤務とすれば1日4時間ほどですから、年収400万円ほど、午後診だけなら1日5時間ほどなので年収500万円ほどとなることが分かります。


一般的な歯科医師の平均年収はどれくらい?

では、フルタイムで働く歯科医師の場合、年収はいくらになっているのでしょうか。
前述の賃金構造基本統計調査によると、平成28年は857万円となっています。
これは、歯科クリニックで働く歯科医師の年収と考えてほぼ間違いないでしょう。
一方、歯科医師の1割ほどが働いている病院ではどうでしょうか。
病院では、医師と歯科医師は給与体系が同じになっているところが大半です。多くの場合、卒後年数に応じて給与が定められていますので、明らかになっている勤務医の平均年数を参考にしてみましょう。
賃金構造基本統計調査で調べてみると、勤務医の平均年収は1100万円ほどです。
歯科医師は病院に勤務していても、医師とは違い、当直業務が割り当てられません。そのため、医師よりは年収が低くなりますが、歯科クリニックでの勤務医より少し高いくらいの年収と言えそうです。


まとめ

労働人口が減少傾向にある近年、多様な働き方を実現する方法の一つとして、厚生労働省は短時間正社員制度を推進しています。
歯科医師においても、従来からあるフルタイム正社員やパートタイムではなく、今後は短時間勤務の歯科医師も増えていくと思われます。
年収は、フルタイム勤務の歯科医師よりも少なくなりますが、その分、子育てや介護などに時間をかけられ、ワークライフバランスが実現しやすいというメリットがあるのです。
今までは、どのような歯科医院で働くかが、就職先を選ぶ上でのポイントになっていましたが、これからは「どれくらいの時間仕事をするのか」という視点で選ぶようになるかもしれません。
あなたも、短時間勤務の歯医者として働いてみませんか?


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