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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

歯科医師の年収と変化の原因について

医師は高収入のイメージが強いと思いますが、歯科医師の年収はどうなのでしょうか?
昨今の歯科医師の、年代別・性別年齢別・開業医と勤務医の年収の比較をご紹介します。その結果を受け、なぜ年収の差がおこるのかについても考えてみましょう。

昨今の歯科医師年収事情

昨今の歯科医師年収事情

現代の歯科医師の年収は、ひと昔前の歯科医師と比べてどのように変化しているのでしょうか?時代背景なども含めての変化をご紹介します。

■歯科医師の平均年収の変化
医師の中でも「歯科」は年々平均年収が下降しています。そして、医師と比べると、残業を含めても約60%弱の水準になります。

昔は歯科医師も高級外車は当たり前の時代もありましたが、今ではこのような環境の変化が起こっています。この原因のひとつには、「歯科医師の増えすぎ」が考えられます。

■コンビニの数よりも多い歯科医師
今や、全国のコンビニ数よりも多いと比較される歯科医師。1970年代と比べて約3倍にも増加しています。人口はさほど増えていないのに、歯科医師ばかりが増え続けるという歯科医師数の推移で、今や「供給過剰」という現象が起きてしまっているといえます。

■定年制がない歯科医師
歯科医師には、会社の制度のように「定年制」がありません。ですから「現役」だと思えば70代でも80代でもいまだに勤務している歯科医師が多くいます。減る数が少なく、毎年一定の人数の歯科医師が増えていれば、歯科医師数は増え続けていくことになります。

そこで、国は2004年から歯科医師国家試験の難易度を引き上げることとし、合格率を下がることで歯科医師の過剰を抑えることに取り組んでいます。

■新人歯科医師のための歯科臨床研修制度の開始
平成18年4月1日から歯科医師免許を受けた歯科医師に関して、歯科臨床研修を1年間受けることが義務付けられました。受け入れ先も出身大学の付属病院へという人が多いようですが、厚労省の指定する病院もしくは診療所でも実習を受けることができます。


歯科医師の年収の変化を様々な角度から検証!

では、具体的に歯科医師の給与を見てみましょう。年収の性別・年代別・開業医と勤務医別など詳しく考察します。

■歯科医師の年収の現状
歯科医師の月給は約30~60万円、賞与も含め約500万~800万というのが一般的な年収のようです。

■歯科医師の年収/年代別の変化と推移
平成17年に平均904.8万だった年収は、平成27年の厚生労働省調べによると653万円です。前年の平成22年の最低額581.9万円に比べれば若干は持ち直しの兆しも見えますが、やはりこの10年で約250万円も下降しています。

■歯科医師の年収/性別の差は?
そして男女比に関しては、最低額だった平成22年が男性歯科医628万円、女性歯科医師469.2万円と大きな差があったのに対し、平成28年には男性674.5万円、女性609.2万円とさほど差が無くなってきています。

■歯科医師の年収・開業医と勤務医の比較
これまでご紹介してきた年収は、あくまでも「平均」年収です。母数となる歯科医師の中には、1000万円以上稼ぐ高収入な開業医の歯科医師もあれば、歯科医師の4人に1人が年収200万円以下という現実があります。平均年収には手も届かない勤務医の歯科医師も含まれていての平均なのです。

■歯科臨床研修制度中の給与
実習生受け入れにかかる費用を計上し、申請することで国からの補助金を受ける制度もあります。受け入れる歯科医院は補助金制度を利用すれば、受け入れをしているから経費が向上するということはないでしょう。しかし働く側である新米歯科医師は1年間給与が約10万円強と、それだけで生活することは困難です。そこが20代の年収が大きく低い要因ともなっているでしょう。


なぜこのような年収の差が生まれるのか

なぜこのような年収の差が生まれるのか

年収の差にはこれまでご紹介した、年齢や性別、開業医か勤務医かの違いなどでも生まれますが、他にもさまざまな背景が関係していることもあります。

■歯科業界の変化
1995年前後までは患者一人あたりの治療費が高く、おのずと歯科業界全体が潤っていた時代といえるでしょう。その後、治療単価が横ばいになり、そのうえ歯科医師は増加し続けている背景から、収入の確保ができず歯科医師も就職難を余儀なくされています。

■マーケティングセンスの差
そんな中でも、地域では評判のいつも激混みで予約が取れないほどの人気という歯科医院もあります。これには「マーケティングセンス」が関係しています。

ひと昔前の「待っていても患者のほうからやって来る」時代は終わり、今は患者自身が歯科医院を選択できる時代です。時代の流れや地域性に特化した歯科医院であれば経営は安定し、一方でそのような歯科医院の波に押されて廃業を余儀なくされる歯科医院も存在します。

■男女差が無くなってきた背景
以前は圧倒的に多かった男性歯科医師ですが、今では女性歯科医師数が追い上げてきています。そして臨床現場での活躍は年収差が無くなってきていることを見れば一目瞭然です。

特に29歳以下の若い女性歯科医師は平成24年の時点で42.1%と半数に迫る勢いで増えています。これは医療分野での女性の力が求められている証です。女性ならではの物腰の柔らかさや細かさ、患者を癒す温かさなどを活かして働くことのできる環境の歯科医院は多くなってきており、このことをマーケティングに活かしている歯科医院もあります。

■勤務医には「出ていくもの」が無い
勤務医は給与がそのまま自分の収益ですが、開業医の場合には、収入が多くてもさまざまな経費がマイナスされます。もちろん開業資金が一番大きく、平均4000万~5000万かかります。

毎月ローンの返済だけでなく、電気・水道などの光熱費、材料費、従業員の給与、そのほかにもHP等のメディアにかかる広告費など。患者数が多ければプラスとなりますが、患者数が減り医業収入が減っても経費はかかるわけですから経営はとても大変です。
ですから、マーケティング戦略がとても重要なポイントとなってくるのです。


マーケティングを考慮した選択が重要

合格者数が増え続けるという歯科医師数推移の結果、国家試験には合格したのに就職難というケースも見られました。また、需要と供給のバランスの乱れから、一部の経営難に追い込まれた歯科医院では給与が大幅に下がってしまうということにもなってしまったのです。

これからの歯科業界はどうマーケティングしていくのかを地域制などから導き、需要に沿った就職を選択するのも重要になってくることでしょう。


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