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歯科コラム

歯科医師の確定申告理解してる?|青色申告などの注意点とは

歯科医師になったからには、いずれは開業を目指しているという歯科医師もいらっしゃることでしょう。知識や技術を身に着けることはもちろんですが、経営に関することも学んでおく必要があります。今回は「確定申告」について考えてみましょう。歯科医業ならではの決まりごともありますので、是非周知していただきたいと思います。

経営者の義務である「確定申告」を知りましょう!

経営者の義務である「確定申告」を知りましょう!

勤務医時代には勤務先が給与から徴収してくれていた税金。開業すると自分自身でおこなわなければなりません。とはいえ、実際は診療で忙しいでしょうから税理士さんに頼む方も多いでしょう。しかし経営者としてある程度の知識はしっかりと持っていただきたいことなのです。

■歯科医業の確定申告は何が違う?!
歯科医師のような医業の確定申告は、一般的な青色申告と比べて注意点がたくさんあります。たとえば、概算経費率の適用ができるかどうかもその一つです。他にも医療機器など、計上すべき項目をきちんと確認しておきましょう。

■開業医になると行うことになる「確定申告」
開業医として開院すると、確定申告をおこなうことになります。その年の1月1日から12月31日までの1年間の所得に対しての税金を納めるための手続きです。発生するのは「所得税」「住民税」「個人事業税」の3つ。所得と言っても収入となったもの全てではなく、収入から必要経費を差し引いた合計が所得となります。所得から税額を算出して納税するのです。

■青色申告のために帳簿を作成しましょう!
確定申告をおこなうためには帳簿をきちんと付けて保存・管理しなければなりません。帳簿は日々の所得や経費など、しっかりと記録する義務があります。作成には「複式簿記」と「単式簿記」があり、青色申告で行う複式簿記の場合には最高65万円、単式簿記の場合には最高10万円の特別控除が受けられます。控除額を考えると、手間はかかりますが、複式簿記で記録するようにしたいものです。


そもそも「青色申告」って?

まずは、「青色申告」について詳しく知っておきましょう。なぜ必要なのかがわかると、おのずとやるべきことも理解できると思います。

■青色申告とは
確定申告は、申告の様式を青色と白色に別けています。これは、確定申告による納税制度を定着させるために導入された方式の違いで、青色にはさまざまな特典が付いています。
ただし誰しも青色申告できる訳ではなく、申告し、税務署長の承認を受けていないと青色申告できません。

■青色申告の特典って?
青色申告は細かな帳簿(貸借対照表・損益計算書)の申告が必要ですが、申告納税制度の普及のために青色申告することでの特典を設けています。

たとえば「青色申告特別控除」というものがあります。これは、青色申告を受けている者が所得から10~65万円控除することができるという特典です。金額の差は、帳簿の違いによって出てきます。より詳しい帳簿作成をしている人であれば最高額になりますので、ぜひ認定を受けられるようにして特典を得られることをおすすめします。

■青色申告するためには…
青色申告は誰でも帳簿さえつければ申告できるというものではないのです。まずは納税地の所轄税務署長の承認を受ける必要があります。

もうすでに事業をおこなっているが、現在は白色申告という人が新たに申請する場合、承認を受けようとする年の3月15日までに。また、その年の1月16日以降に新規事業を開始した場合は、診療開始日から2か月以内に提出であれば可能です。申請には「青色申告承認申請書」を所轄税務署に提出します。


歯科医業ならではの確定申告に関する注意点

歯科医業ならではの確定申告に関する注意点

経営をおこなう人は、どんなお仕事でも「納税」の義務があります。そして、様々な決まりごとの中で、「医療」ならではの法律もあるので把握しておきましょう。

■青色申告の際に注意したい「租税特別措置法第26条」とは?
社会保険診療報酬の経費は、租税特別措置法第26条に規定する「社会保険診療報酬の所得計算の特例」を使うことが出来ます。

すなわち、年間の社会保険診療報酬金額が5000万円以下の場合、かかる経費については、一定の計算によって算出された概算の経費を用いることができるというものです。これにより、実際にかかった経費と概算の経費を比較し概算の経費の方が多くなる場合、概算経費を計算で選択することで所得額が少なくなるので納税の際には有利になります。

ただし注意したいのは、社会保険診療報酬が5000万円を超えている場合です。また同じく収入金額が7000万円を超えた場合も、この「租税特別措置法第26条」の規定は適応外となりますので注意しましょう。

■自費診療を取り入れている歯科医院は要注意!
「課税収入」が1000万円を超えた場合には、消費税の納税の義務があります。社会保険での診療が主な場合は納税義務者になることはほぼありませんが、自費診療を多く取り入れていらっしゃる場合は対象になる可能性も高くなります。自由診療を取り入れている歯科医院は消費税の納税義務判定に備えて、年間課税収集がどれだけになるかを把握し注意しておきましょう。

ちなみに、1000万円超えたその年からではなく、超えた年の翌々年の確定申告からが納税義務者ということになります。また、自費診療の中でも「労災保険診療」と「自賠責保険診療」などは非課税となりますので、課税収入の対象外ですので、こちらも把握しておくようにしましょう。

■納税に関するスケジュールを把握しておきましょう
歯科医師として納税する3種類の税金は、それぞれ納税の時期が異なります。納税手続きの関係もありますので、時期の把握をお願いします。
*自治体によって違う場合もありますので、開業地で確認されることをおすすめします。
・住民税…年4回(6月、8月、10月、翌年1月
・所得税…年3回(予定納税7月、11月と翌年3月15日までの確定申告により納税)
・個人事業税…年2回(8月、11月)


まとめ

歯科医業機関とはいえ、利益が発生するものには納税の義務が発生します。歯科のような医業には、通常の確定申告とは違った項目や条件も多々。診療が忙しく、こればかりに構っていられないという現状もあるかも知れませんが、税理士さんに任せっぱなしでは勿体ない!「確定申告」や「青色申告」に注意を向け、多くの開業を目指す歯科医師の皆さんにご理解いただければと思います。


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