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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

女性歯科医師の就職率は?歯科医師を希望する女性が増える理由

コンビニエンスストアよりも多いと言われている歯科医院ですが、歯科医師の数も増え続けて飽和状態にあります。その中でも注目すべき点は、それに比例するように、女性歯科医師を希望し、歯科医院に就職を希望する女性が増えていることです。

以前は男性歯科医師がほとんどであった歯科業界ですが、女性歯科医師が増えたこと、また歯科医師を希望する女性が増えている理由はどこにあるのでしょうか。

医科における女性医師の割合と就労支援策について

医科における女性医師の割合と就労支援策について

同じ医療界で働く女性として、女性医師の割合も歯科同様、増加傾向にあります。平成24年度では全体の19.7%を占め、女性の医学部入学の割合は約3分の1と言われており、データによると年々、女性医師を志す人が増えていることを表しています。

働く女性にとって男性とのいちばんの違いは、結婚、妊娠、出産といった人生のライフイベントです。人生における大きな意味合いを持つライフイベントは、働く女性にとって最大の問題と言えます。妊娠、出産のため離職し、子育てをしながら再就職するためには、雇用側の支援や体制が必要不可欠です。

特に小さな子どもを持つとほとんどの場合が保育園に預けますが、子どもが熱を出すたび中抜けや早退を繰り返すことがどうしても多くなります。また離職前のように、時間を気にせず働くことも難しくなるため、再就職に二の足を踏んでしまいがちになるのが現実です。せっかく取得した医師という資格を生かしたいものの、どうしても子育てと仕事の両立の難しさに再就職を断念せざるを得ない心境になってしまうのではないでしょうか。

このような状況を改善するために、国による各都道府県に対する補助事業として、「女性医師等就労支援事業」という支援策があります。これは再就職に不安を抱く女性医師に対する改善策です。

子育てをしながら勤務を続けるために最も問題となることは、勤務時間です。これは短時間勤務制度やフレックスタイム制度、また急患や当直の免除など、家事と仕事を両立させるための最重要事項と言えます。また院内保育所の設置や休暇が取りやすい、男性医師やスタッフに理解があることなどが求められています。

特に院内保育に関しては、医療提供体制を新たに改革するため、新たな財政支援制度として「医療提供体制推進事業費補助金」が実施されました。これは現在設置されている医療機関内の院内保育所の運営費の一部を補助するものです。また新たな院内保育の設置や増築などに対する費用を補助する「医療提供体制施設整備交付金」があり、まだ設置されていない医療機関に対する院内保育事業の支援を行う内容です。

女性歯科医を支援する体制は

女性歯科医を支援する体制は

最近では女性歯科医師を目指す女性が増加しています。きめ細やかな対応や接遇、女性ならではの物腰の柔らかさなど、歯科は女性向の仕事とも言えるでしょう。しかし医科と同じように、女性歯科医師にもライフイベントによる離職、また再就職の問題に直面します。

せっかく手にした歯科医師の資格を生かすためには、医科のような就労支援策が必要不可欠です。しかしこの支援策は、歯科は医科に大きく遅れをとっているのが現状です。ここに医科と歯科に大きな違いがある感は否めません。この現状に対し、最近では働く女性歯科医師の活躍に関するワーキンググループによる討論会などが度々開催されています。女性歯科医師が就職、再就職しやすい環境整備を整える働きが進められているのです。とはいえ、医科に比べるとまだまだ女性歯科医師に対する様々な実態が明確にされておらず、復職しにくい実態は、せっかくの資格が生かしづらい状況と言えます。

女性が活躍できる歯科医院という職場

女性が活躍できる歯科医院という職場

それでも歯科医師を希望する女性が増えているのは、歯科医院は女性が働きやすく、活躍する場が多いためと言えます。歯科医院は、歯科衛生士をはじめとした女性スタッフが数多く存在する「女性のための職場」なのです。

患者様の治療を行うのは歯科医師ですが、歯石取りやメンテナンスなど口腔ケアを行うのは女性である歯科衛生士です。予防意識が高まっている現在、歯科衛生士の存在は大変大きいのです。また受付や歯科助手も、きめ細かい応対や言葉遣いなど、女性が持つ細やかな気配りで歯科医院を支えています。

このように、歯科医院は女性主体の職場であり、女性スタッフの手で支えられているため、女性歯科医師にとっても大変働きやすい職場なのです。同じ女性同士、悩みを相談しあったりすることで新たな知識や情報を得ることができ、それが診療にも生かされることがたくさんあります。

また急な休みや早退に対しても、同じ女性同士で理解し、助け合えることが大きな強みと言えるでしょう。

女性歯科医師のあり方を理解してくれる歯科医院選び

女性歯科医師のあり方を理解してくれる歯科医院選び

医科に遅れているとはいえ、最近はたくさんの歯科医院が独自のプログラムや就業マニュアルなどによる勤務形態が整えられています。前述したように、歯科医院は実は女性が活躍しやすい職場です。歯科衛生士や歯科助手は女性であり、女性ならではの大変さを理解してくれるよき同僚でもあります。

また再就職を希望する女性歯科医師のためのスキルアップなどの支援は必須です。ある歯科医院による独自プログラム「女性歯科医師・育成プログラム」は、家庭と仕事の両立や女性歯科医師のあり方などに着目。女性歯科医師が一人の女性として抱える、様々な悩みや不安を解消するためのプログラムです。

この歯科医院のプログラムは、「女性歯科医師の悩みや不安の共有と理解」「女性歯科医師として仕事を続けていくためのスキルアップ」「患者様の、女性歯科医師に対する求めることの熟知」「男性歯科医師とともに学ぶ症例」など、国家資格を生かし、歯科医師として働きたい女性を支えるものです。

資格を保有する強みを生かす

このように、女性がいちど仕事から離れても、働き方を選択することで歯科医師という資格を生かすことが大いに可能です。言い換えれば、手に職を持っていることが何よりの強みです。国や歯科医院独自の支援策の改善や推進もこれからもっと期待されるのではないでしょうか。

世間の女性歯科医師に対するニーズや期待を生かすことができる歯科医院を希望する女性が増えている理由は、こういったところにあると考えられます。

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