Quick Search
気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

女性歯科医師の雇用別の平均年収について

歯科医師が飽和状態にあり、全国の歯科医院の数も平成27年1月で68,799か所と報告されています。歯科医師過剰と言われている今、歯科医院も勝ち組負け組などと言われており、歯科医師の年収にもかなりの幅が出ています。また女性も働く時代となり、働く女性が増えた現在、歯科医師を希望する女性が増加し、歯科医師と同じように年々増加傾向にあります。では女性歯科医師の平均年収などはどういったものなのでしょうか。歯科業界の実状などと合わせてみてみましょう。

歯科業界の実情

歯科業界の実情

医療関係は安定しているのではないか、という声もちらほら聞きますが、歯科医院の数が多すぎるため、経営状況によりその年収にはかなりの幅があります。
歯科医院が乱立している現在、いちばん深刻な問題は「患者を集めること」です。歯科医院は治療を行って収入を得るため、患者を確保しなければ話になりません。また最近では保険診療だけでは経営が難しく、自費治療を取り入れる歯科医院もたくさん出てきています。それにもかかわらず、患者を集めることができない歯科医院は採算がとれず、やむを得ず廃院をいう道を辿ることになります。

歯科医師の年収

歯科医師の年収

平成27年度、歯科医師の平均年収は7位ですが、時給ベースに換算すると3位となっています。
地域や就業先の規模により違いがありますが、男性歯科医師の平均年収は1,500万以上2,000万円以下となっています。また男女別の平均年収は男性が674万、女性が608万と報告されています。雇用別平均年収は次のとおりです。

■勤務医
常勤の歯科医師の場合の月給は一般的に30万円〜50万円くらいです。これに賞与が加わると、およそ450万円〜800万円ほどの年収になります。

■開業医
勤務医と違い、開業医は全て自分自身の経営手腕にかかってきます。経営がうまくいっている歯科医師の場合、年収1000万を超えることもあります。しかし経営難に陥っている開業医は年収300万以下のところもめずらしくありません。保険診療だけでは経営が厳しいため、インプラントや審美歯科などの自費治療を取り入れなければ厳しいという現状です。

■大学病院を含む国公立の病院
この場合歯科医師は公務員扱いとなります。設備的に難しい治療が可能ですが、特別に高い収入を得ることはできません。ただし安定した収入と雇用が約束されています。

また歯科医師の本音として、次のような声があげられています。

「低レベルの歯科大学と、国家試験の低合格率そして低レベルの歯科医の存在が、歯科医師というステータスを下げてしまっている」
「コンビニより多く、歯科医のワーキングプアなどとマスコミなどで報じられることで歯科大学のレベルが下がり、ステータスを下げてしまった」
「開業資金の返済に対する不安」
「世間の歯科医師に対する評判が悪い」
「世間から医師は尊敬されるのに、歯科医師はそうではない」

など、今の歯科業界の現状とそれに対する率直な意見が出されています。

女性歯科医師の年収

女性歯科医師の年収

では女性歯科医師はどうでしょうか。働く女性が増えている中で、女性歯科医師を目指す人も同じように増えています。実際、女性歯科医師の平均年収はどのくらいなのでしょうか。雇用形態により差はありますが、年代別平均年収は次のとおりです。

■20代~
平均年収は約240万~390万

■30代~
平均年収は約680万~690万

■40代~
平均年収は約1,000万~1,100万

■50代~
平均年収は約750万~

■60代以降
平均年収は約960万~

また平成27年度の歯科医師平均年収ですが、40歳以上の男性歯科医師は、およそ年収が800万円近くなるようです。男性歯科医師と女性歯科医師を比べると、全体的に女性の年収のほうが低い傾向が見受けられます。上記のとおり、男性歯科医師は40歳代をピークに、徐々に下がり続け、60代では女性歯科医師のほうが平均年収が多く、逆転しています。
つまり男性歯科医師は40歳代が最も平均年収が高く、女性歯科医師は60代がいちばん高いという報告がされています。

働く女性が増えたとはいえ、この報告からまだまだ男女間には格差があるように見受けられます。

これまでと同様の治療だけでは難しくなる

これまでと同様の治療だけでは難しくなる

最初にも述べたとおり、女性を含む歯科医師過剰問題は、歯科医院の収入そして自分自身の収入に直結します。日本の保険制度の問題から、これまでの保険診療だけでは到底経営が難しくなるため、自費治療を取り入れるなど何らかの策が必要になります。その中でも、高齢者増加に伴う訪問診療や、8020運動にあるように、悪くなった歯を治療するという従来の考え方だけでなく、歯を守るための予防歯科の普及、そして歯周病と全身疾患の関連性と重要性などを打ち出していく必要などがあります。
昔なら患者様は待っているだけで治療に来てくれました。歯科医師の数もそれほど多くなく、歯科医師は尊敬されていました。しかし時代が変わり、歯科医師や歯科医院が飽和状態となった今、周りと同じことを行っていては生き残りが難しくなっています。患者様から選ばれる歯科医師や歯科医院であること、また選ばれない歯科医院は、収入に直接反映されるということです。

開業=経営という図式

開業=経営という図式

開業を目指す医師は、大学を卒業後、大きな病院で研修医として研鑽を積み、やがて個人医院を開業するパターンが一般的です。しかし歯科医師の場合は大きな病院が少ないため、すぐに開業することがめずらしくありません。開業するということは、自身が経営者になるため、ただ治療だけ行っていればいいわけではありません。特に大都市は歯科医院が集中しており、毎日しのぎを削っています。経営がうまくいけば一日の患者数が120人は当たり前、当然年収は1,000万を超えてきます。しかし1日10人以下の患者数では当然年収も低く、廃業に追い込まれるのも時間の問題となります。
特に女性歯科医師は、結婚や妊娠、出産などといったライフイベントにより、その後の年収などが大きく変わってきます。また雇用形態にも変化が生じるため、年収が低くなることも当然予想されます。

また今の時代はネットやSNSなどで歯科医院の評判がすぐにわかります。大切なことは、歯科医師として、また歯科医院としてしっかりと特色を打ち出し、患者を確保することで経営を安定させることです。
このように、歯科医師や女性歯科医師の平均年収は高いものの、生き残りをかけて熾烈な争いが起こっています。歯科医師の年収の実態は、このようなところにあると言えるでしょう。

お問い合わせ
当サイトに掲載されているコラムの内容や求人情報に関するご質問は左のボタンからお問い合わせください。

^