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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

歯周病を専門的に治療できる歯科として差別化を狙ってみよう

今やコンビニの総数よりも多いとされる歯科医院数。生き残っていくためには、やはり差別化を図る事が重要となってきます。そこで今回「歯周病」にスポットを当て、専門的に治療できる歯科として差別化を狙うためにはどうしたらよいのか考えてみましょう。

昨今の「歯周病治療」に対する患者と歯科医院の意識

昨今の「歯周病治療」に対する患者と歯科医院の意識

■「歯周病治療」で歯科医院を選ぶ
歯科の3大疾患といえば「虫歯・歯周病・外傷」ですね。ひと昔前の開業医の歯科医院と言えば、「総合的にお口に関する治療を行う」というのがほとんどだったと思われます。その名残もあり、わざわざ歯周病治療をしてもらうために歯科医院を選択するという事はあまり無いのではないでしょうか。

■患者の「歯周病」に対するイメージ
ひと昔前まで、歯周病は「歯槽膿漏」と呼ばれていました。テレビCM等も影響し、「歯槽膿漏になったら歯が抜け落ちる」というイメージが強いものであったと思います。歯周病になってしまったら、どうせ歯が抜けてしまう。そうしたら入れ歯にすればよいというような安易な風潮がいまだにあるのも事実です。

■一般歯科での歯周病治療の限界
確かに歯周病に関しては要因の幅も広く、治療運びも難しい疾患です。それゆえ、歯科検診時に歯周病だと診断されても、ケアがきちんとできない歯科医院が意外に多いのも悲しい現実。治療には長い期間も要するため、しっかりと腰を据えて通っていただける信頼関係も築かなければなりません。歯周病こそ、ぜひ専門的な治療を受けていただきたい疾患だといえます。

これからの歯科医院が力を入れるべき「歯周病」

これからの歯科医院が力を入れるべき「歯周病」

■歯周病は「治る」疾患
歯周病は90%が「成人型慢性歯周病」とされています。お口に存在する歯周病菌が原因となり発症するもので、歯垢(プラーク)を歯面に長期的に付着させないようにする=歯周病菌の数を減らすための「プラークコントロール」を早期に行えば治る疾患であることは周知されていると思います。しかし、なかなかそこを深く掘り下げて行うところまで行けていない歯科医院が多いのではないでしょうか。歯周病を繰り返し、悪化したら来院するという負のループになってしまっている患者も多いのです。

■歯周病治療に大切な2大ケア
歯周病菌を減らすためには、現状を改善しなくてはなりません。まずは毎日自宅で行うお手入れの「ホームケア」を充実させることが大切です。とはいえ、人は慣れてくるとどうしてもおろそかになりがち。そこで歯科医院にてクリーニングを受ける等の「プロフェッショナルケア」が重要になります。このような定期的なメインテナンスを行い、健康な状態を持続する管理が必須となります。

■「歯周病」に特化して差別化を図る
現代は高齢化社会が進み、歯周病でお困りの高齢者もたくさんおられるでしょう。また、嗜好品の増加や生活習慣などの変化に伴い、若者にも歯周病は増えてきています。これからの時代、「歯周病」に特化した専門的な知識や技術を向上させ、周囲の歯科医院との差別化を狙った組織づくりを考えてみてはいかがでしょうか。

歯周病の専門性をアピールして差別化を

歯周病の専門性をアピールして差別化を

■時代に合わせたアピール法
情報社会となった現代、どの歯科医院を受診するか迷った時、インターネット等で専門サイトや口コミサイトを利用する人が増えています。そこで、他の歯科医院と差別化を図るためには、「歯周病認定医」「歯周病専門医」等の専門的資格を標榜することで差別化を図るのはいかがでしょうか。これらは、国民の口腔保健の増進に貢献することを目的として制定され、歯周治療における専門的知識と技術を有する歯科医師と認定された歯科医師が取得できる資格です。ここをアピールすることで患者の信頼度を上げていくことも方法の一つです。

■歯周病の専門性をアピールする
たとえば、歯科大在学中に歯周科や保存科を専門的に学んだのであれば、そこを標榜することで専門性をアピールできます。また、日本歯周病学会や日本臨床歯周病学会の会員であり且つ専門医を取得していることなども標榜したりすることも、歯科医院を検索している患者にとっては判断基準となり得ます。学生時代に専門分野でなかったとしても、これらの資格は勤務しながらでも取得可能。歯周病を専門に治療できる歯科を目指すのであればぜひ挑戦していただきたいと思います。

■歯周病専門の資格を取得するには
我が国では、「日本歯周病学会」や「日本臨床歯周病学会」が認定する資格があります。それぞれの学会によって、資格取得の条件や試験などに違いがあります。どこに所属するのか等は、師事する(研修を受ける)歯科医師や研修施設によっても差がありますので、各協会のHP等で確認することをお勧めします。

「歯周病専門」の資格について

「歯周病専門」の資格について

■日本歯周病学会 「歯周病認定医・専門医」
日本歯周病学会では、歯周病認定医は研修施設において3年以上研修を受け、歯周治療の知識と技術を習得したうえで認定医試験を受験し合格した歯科医師。また、専門医は5年の研修期間もしくは認定医取得後さらに2年、研修施設での研修を受け、専門医試験に合格した歯科医師が取得できます。歯科医師臨床研修を終了後であれば、大学に残って研究しながらでも、勤務・開業医の方でも挑戦できます。

■日本臨床歯周病学会 「認定制度」
日本臨床歯周病学会では、歯周病認定医は学会会員で3年以上歯周治療に携わり、且つ研修施設で3年以上の研修を行った歯科医師が取得できます。また、認定医取得後7年以上学会歴があり、指導医委にふさわしい業績を認められれば、認定医の指導を行う「指導医」の資格も取得できます。

■「認定歯科衛生士」の活躍も
歯周病治療には、歯科医師の力だけでは成り立ちません。歯のクリーニングや歯みがき指導など、専門的なアドバイスは歯科衛生士が担当することが多くあります。そのため専門的な知識を兼ね備えた歯科衛生士が在籍していることもアピールポイントとなります。日本歯周病学会では、認定歯科衛生士制度も設けており、歯科医師だけでなくスタッフのスキルアップも目指していきたい資格です。

まとめ

現代の歯科医院は、患者を待つだけでは成り立たなくなってきています。そこで専門性を表にアピールしていくことと、時代のニーズに合った専門分野で差別化を図っていくことが必要です。歯周病はこれからの時代、虫歯と並んで専門性が必要なジャンルといえます。他医院と差別化を図り生き残っていくために、専門性を高めるためのスキルアップと資格取得などを是非目標にされてみてはいかがでしょうか。

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