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気になるアレコレまとめました!医師の為の歯科コラム
歯科コラム

歯科医師の海外での免許取得情報と留学に関して

日本で歯科医師の免許を取得、個人医院や病院勤務を経て、後に開業をする方がほとんどだと思います。ただ諸々な事情で海外へ赴任することがあるかもしれません。勤務している病院から海外へ赴任して欲しいと辞令が出た、また発展途上国の支援をするために、自身の技術向上のために海外へ活躍の場を求める方もいるでしょう。

日本の歯科医師が海外で活躍するには?

日本の歯科医師が海外で活躍するには?

海外へ行くということはその国の言葉が話せないことには活躍は難しいと考えられます。歯科医師は患者と面と向かって接するために、歯科の細かな治療の説明や診療方針などを現地の言葉で会話できなければ伝わりません。そのためにはある程度の会話ができるよう、出国前に現地の言葉を習得することが必要です。
現地スタッフのサポートがあるにしても、自身で会話ができることで、スタッフとの信頼感が増すでしょう。プロ野球からメジャーリーグへ移籍した際にも、英語が話せればチームメイトと親しくなることが出来ます。ピッチャーであればキャッチャーとの意思疎通が取れやすくなるのは想像できますよね?

将来、海外勤務があることに備えて海外で活躍するにはどうしたら良いのかを知っておくことです。また自身のことだけではなく、様々な人々との関わりを常に意識し、その関わりを大切にすることで歯科医師として活躍できることでしょう。


各国の免許の取得方法や留学の方法

各国の免許の取得方法や留学の方法

まず「海外で活躍したい」と言っても、国によって新たな資格などを取得する可能性があり、どの国で勤務するかによって調べる内容も違います。ここでは主な国ごとの特徴をまとめていきます。

■オーストラリアの方法
対象は日本で歯科医師の免許を取得し、かつ現在資格を保持している者です。また4年制大学以上の卒業資格がある者も対象です。
その資格ある者が規定の適性検査や英語力の証明(OETやIELTS、その他PTEやTOEFL)、筆記試験や実技試験などを経て、オーストラリアで活躍ができます。
ここでは英語力を向上させる留学方法を紹介します。オーストラリアで活躍するには英語力の証明は必須です。IELTSは日本での受験が可能ですが、OET試験は自身で学習することが難しく、現地で語学留学の形でスコアの向上を図ることが理想的です。現地の生の声ほど有益なものはありません。
他には上記の語学留学を経て、ワーキングホリデーのビザ取得のために長期のプログラムを受講しながら学生ビザで就労することが可能です。

■ニュージーランドの方法
ニュージーランドはオーストラリアと同様に英語圏のため、英語力の証明としてIELTSでのスコアが重要となってきます。
IELTSについては、海外で活躍するための国際免許証とも呼ばれるもので、そのスコアの基準がIELTS6.5必要で、IELTS7.5の英語力があれば問題ないとされています。
また永住権を求めるのであれば、技能移民部門へ申請が必要になります。

■アメリカでの方法
アメリカの特徴は合衆国という名前の通り、州ごとに法律が異なるところです。日本で歯科医師の資格を取得したら全国どこでも活躍できますよね?アメリカでは州ごとの法律に則って資格を取得しなければなりません。ここではアメリカで共通している選考項目に関して紹介します。
アメリカも英語圏ですので、英語力の証明が必要です。TOFLEのスコアなら、最低でも600以上で英会話も日常会話は問題なく話せるレベルでないと厳しいでしょう。学科試験は様々な科目があり、その全てが英語で記述されています。基準は85%以上で合格となります。臨床試験の合格基準も85%以上となっています。
合格後は、歯科大学の学生として2年間のカリキュラム、卒業試験を経て、ようやくアメリカで歯科医師として活躍することができます。
また矯正、口腔外科など、より専門的な科に関しては更に数年の学業が必要となります。

このように各国によって歯科医師の免許の取得方法が異なり、事前の下調べを念入りにすることが大切です。
より確実に調べる場合は、活躍したい国の大使館へ問い合わせすることが最も近道です。
的確な情報を得て、夢への一歩を踏み出しましょう。

更なるレベルアップをするために

更なるレベルアップをするために

世界を見据えて更に高みを目指すのであれば、留学をすることをお勧めします。留学では主に、研究留学と臨床留学の2つがあります。ここではそれぞれの違いを挙げながら紹介していきます。以下は医師向けの内容となっていますが、歯科医師と共通点が多くあるので、参考にしていただけたら幸いです。

研究留学とは博士研究員(ポストドクター)になった後に、平均5年以内に北米へ行くことが多いそうです。留学するルートは、大学や先輩医師からの紹介からが多いですが、コネがなくても留学する方もいます。留学の期間は1〜2年で給与が支払われる場合と無給の場合があり、奨学金を確保するよう指示されることもあります。英語力は明確な基準はありませんが、電話インタビューでリスニング能力を確認されることが多く、日常会話ができないと厳しいと予想されます。

留学後は大学の職員として日本に帰国して臨床・教育、その合間を見つけて時間外での研究という日々を送ることが多いそうです。しかしながらせっかく留学することで得た知識を活かすことが出来ずに研究から遠ざかってしまう方も多いようです。

臨床留学は一通りの術技を習得した後に行くことが多く、やはり行き先は北米が多いようです。留学ルートは米国の場合、マッチングを経た一般ルートの他、特別な民間の派遣プログラムもあります。期間は3年ほどで給与の支払いはあります。しかし英語力は研究留学よりも高いレベルを求められ、専門的な会話が出来る、上記のニュージーランドの項にあったIELTSが6.5以上は求められます。

また大学以外からの留学ルートは以下の通りです。

A. 短期のCEコース(1週間〜3ヶ月まで様々ある)
B. 大学院(Post Graduate[PG]Program、臨床の専門課程、プログラムや大学により期間は異なる。補綴(ほてつ)やペリオは通常3年、アメリカから認定専門医を取得可)
C. 歯学部への編入(Advance Standing、日本のライセンスを持っていれば3年生からの編入が可能で、計2年[アメリカの歯学部は4年制]でアメリカ[正確にはRegion]のライセンスが取得可)
D. 学会組織などによるスカラーシッププログラム

留学した人の多くは、帰国後に開業したり勤務医となって自分の専門外の一般治療も同時に行うことが一般的です。

このように目指す目標によって、研究留学か臨床留学かを決める必要があります。自分がどちらの方面を目指すのか、どのような将来像を描けるか、それを見極めて成功を掴みたいものです。


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